試合レポート

明徳義塾vs高知中央

2018.07.16

明徳義塾、高知中央「変則左腕」に苦しみながら初戦突破

 大会9連覇を目指す明徳義塾にとっては、実に苦しい夏初戦だった。初回、一死一・三塁から高校通算35本塁打の4番・谷合 悠斗(3年・左翼手・180センチ90キロ・右投げ右打・ヤング岡山メッツ<岡山>出身)の左犠飛で先制するも、最速149キロ右サイド・市川 悠太(3年・185センチ75キロ・右投右打・高知市立潮江中出身)の立ち上がりに乱れが生じた。

 

 高知中央は一死から四球に続き3番・岡本 布武希(3年・中堅手・172センチ72キロ・右投左打・南国ヤングマリナーズ出身)が右翼線二塁打。ここで市川の148キロを相手捕手が後逸し同点。併殺崩れで勝ち越し。その後は2年生左腕・濱田 海渡(2年・171センチ66キロ・左投左打・尼崎西リトルシニア<兵庫>出身) が上手・横手・下手を巧みに使い分け、3回表には無死一・三塁のピンチも0で切り抜けた。

 

 さらに3回裏にも先頭の1番・西仲 龍大(3年主将・168センチ65キロ・右投右打・尼崎北リトルシニア<兵庫>出身)が中前安打で出塁し、再び突き放しにかかる高知中央。しかし、ここでようやく明徳義塾のスイッチが「ONモード」に入る。

 

 この回は市川が春以降、得意にしているけん制で西仲を刺し0で切り抜けると、4回表は市川の二塁打を契機に一死三塁から1番・眞鍋 陸(3年・右翼手・175センチ71キロ・右投左打・明徳義塾中出身)の右犠飛で同点。6回表には再び市川が左前打で出塁した後の二死二塁から再び眞鍋がライト線へ運ぶ二塁打で勝ち越し。さらに7回表にはこの回途中で交代した川久保 奨騎(2年・179センチ80キロ・右投右打・高知市立城北中出身)から6番・安田 陸(2年・177センチ80キロ・右投右打・明徳義塾中出身)が左前適時打を放ち、高知中央を突き放した。

 

 結局、明徳義塾・市川は8回裏に脚がつるアクシデントがありながらも118球6安打8奪三振・四死球3・失点2・自責点0で完投勝利。夏初戦の難しさに苦しみながらも、明徳義塾が侍ジャパンU18エース候補の奮闘で9年連続の甲子園出場まで「あと3勝」とした

 

(レポート=寺下 友徳

この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

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