News

投げ終わった後には次回に備えたクールダウンを

2018.07.13

投げ終わった後には次回に備えたクールダウンを | 高校野球ドットコム
投げ終わった後には次回に備えたクールダウンを

 投げ終わった後に肩や肘などを氷で冷やす場面をよく見かけます。投球後はどのようにケアをしていけばよいでしょうか。アイシングを行うことはもちろん肩や肘にかかった負担を軽減するために必要なものですが、すべての選手に必要なものというわけでもありません。患部を冷やしてしまうと炎症は抑えられますが、関節の動きが悪くなったり、筋肉が冷やされることによって硬くなってしまうこともあるからです。

 投球時には腕を前方に振り出す動作を繰り返すため、どうしても肩(上腕骨頭)が前方に移動し背中が丸まってしまう傾向にあります。まずはそこをエクササイズなどで改善させるようにしましょう。チューブを柱などにかけ、利き腕を使って引っ張る動作を行うと、投球動作の動きとは逆の筋肉を多く使い、筋バランスの改善につながります。また肩のインナーマッスルをエクササイズなどで刺激することもよいでしょう。「押す」動作ではなく、軽負荷で「引く」動作のエクササイズを繰り返し行い、背中や肩の後ろを中心に刺激を入れるようにします。

 エクササイズを一通り終えた後にアイシングを行うかどうかを判断します。投球後に行うアイシングとしては、

1) クールダウン:痛みはなくても熱感や組織内に細かな損傷があるのでこれを放置せず、疲労を回復させる(ケガ予防)

2) 痛みの鎮静:痛みや熱感のある部位に対し、炎症が拡がらないようにする(RICE処置)

 の2つが考えられます。痛みを感じない場合は、クールダウンとして10分程度患部を冷やすようにします。少し痛みが残っていたり、以前傷めた部位だったりする場合はもう少し長い時間(15~20分程度)をかけるようにしましょう。

 もう一つ取り入れてもらいたいコンディショニングとしては、クールダウンを兼ねたジョギング・ランニングです。肩や肘に痛みがある場合についても、アイシングによって局所の血流は抑え、疲労回復には全身の血流を促進させることが不可欠です。話ができる程度の軽いペースでゆっくりとジョギングを行い、身体が温まったところでストレッチをしてからクールダウンを終えるようにしましょう。

文:西村 典子
球児必見の「セルフコンディショニングのススメ」も好評連載中!

この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

関連記事

応援メッセージを投稿

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

RANKING

人気記事

2024.05.01

【神奈川】関東大会の切符を得る2校は?向上は10年ぶり、武相は40年ぶりの出場狙う!横浜は6年ぶり、東海大相模は3年ぶりと意外にも遠ざかっていた春決勝へ!

2024.05.01

春季大会で頭角を現した全国スーパー1年生一覧! 慶應をねじ伏せた横浜の本格派右腕、花巻東の4番、明徳義塾の正捕手ら入学1ヶ月の超逸材たち!

2024.05.01

【福島】聖光学院と福島商が県大会切符<春季県大会支部予選>

2024.05.01

【兵庫】報徳学園、須磨翔風などが順当に夏の第1シード獲得!昨秋ベスト4の長田、滝川二はノーシードに

2024.05.01

【春季埼玉県大会】プロ注目石塚、大会1号!優勝候補筆頭・花咲徳栄が15安打で東農大三に勝利!

2024.04.29

【全国各地区春季大会組み合わせ一覧】新戦力が台頭するチームはどこだ!? 新基準バットの及ぼす影響は?

2024.04.26

今週末に慶應vs.横浜など好カード目白押し!春季神奈川大会準々決勝 「絶対見逃せない注目選手たち」!

2024.04.26

古豪・仙台商が41年ぶりの聖地目指す! 「仙台育英撃破」を見て入部した”黄金世代”が最上級生に【野球部訪問】

2024.04.28

【広島】広陵、崇徳、尾道、山陽などが8強入りし夏のシード獲得、広島商は夏ノーシード<春季県大会>

2024.04.28

【長野】上田西、東海大諏訪、東京都市大塩尻が初戦突破<春季県大会支部予選>

2024.04.23

【大学野球部24年度新入生一覧】甲子園のスター、ドラフト候補、プロを選ばなかった高校日本代表はどの大学に入った?

2024.04.21

【兵庫】須磨翔風がコールドで8強入り<春季県大会>

2024.04.22

【鳥取】昨年秋と同じく、米子松蔭と鳥取城北が決勝へ<春季県大会>

2024.04.29

【全国各地区春季大会組み合わせ一覧】新戦力が台頭するチームはどこだ!? 新基準バットの及ぼす影響は?

2024.04.22

【春季愛知県大会】中部大春日丘がビッグイニングで流れを引き寄せ、豊橋中央を退ける