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【南神奈川展望】3連覇を狙う横浜はそのまま突き進むか?対抗馬は横浜隼人、藤嶺藤沢

2018.06.10

 南北・神奈川大会の抽選会が決まった。まず県大会優勝した横浜を中心とした南神奈川について占っていきたい。今大会は有力校がうまく散らばり、例年通り、大会が進行するごとに面白みが増す大会となりそうだ。

横浜は投手力を強化できるか?

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板川佳矢(横浜)

 まず春優勝の横浜は初戦の相手は金井逗子の勝者となる。3連覇を目指し、さらに全国制覇を目指す横浜の課題は、エース・板川佳矢(3年)、150キロ左腕・及川雅貴(2年)に続く投手育成だ。右サイド・黒須大誠、1年生ながら140キロを超える松本隆之介木下幹也が練習試合で起用されているが、この3人がしっかりと伸びていけば、1人の投手に負担をかけずに戦うことができ、ぜひ1人でも多くの投手を育てていってほしい。

 打線は長南有航(3年)、内海貴斗(2年)など本塁打を打てる打者が揃った超強力打線。エース・板川も春の県大会で本塁打を放っており、侮れない。

 同ブロックのシード・立花学園は強打の遊撃手・上野 浩聖、3番・ 阿部勝成を中心に打力のある打者が揃い、さらに機動力を絡めることができる。ただ投手力が課題で、打ち勝つ野球で勝負することになりそう。初戦は湘南工大附横須賀工の勝者と初戦から苦しい戦いが強いられそうだ。同ブロックではノーシードの三浦学苑が脅威となるだろう。

 春8強の金沢は一発を打つ打者は少ないが、速球に強い打者が多く、好投手に対しても打ち勝てるチーム。また相手チームに的確に分析したポジショニングの巧さで失点を防ぐ守備も必見。エース・田中翔は120キロ台ながらテクニックに長けた技巧派右腕。ただ、打力が上がる夏では、少ない失点で抑えるのは厳しく、打ち勝つ野球で勝ち上がるプランを想定したい。

 初戦の相手は津久井浜瀬谷西の勝者。同ブロックでは湘南戸塚に注目だ。

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横浜隼人の対抗馬は星槎国際湘南か

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横浜隼人注目のショート・横瀬辰樹

 今年の南神奈川では横浜に次ぐ総合力を持った横浜隼人は、横浜商吉田島総合の勝者と対戦する。今年も攻守の要であるショートストップ・横瀬辰樹、5月末の時点で高校通算25本塁打を記録している強打の2番河野真大を中心とした伝統の強打は健在だが、むしろ今年は投手力の高さが目につく。青山 美夏人小石川 遼音と140キロを超える大型右腕を2人そろえ、2人以外にも実力ある投手が揃っており、失点を計算できるチームだ。

 今年は横瀬のチームと呼ばれるように、敗れた金沢戦では横瀬が無安打だった。攻守の中心である横瀬の活躍は不可欠だが、横瀬に頼りすぎないチーム作りが夏までの課題だろう。

 吉田島総合と対戦する横浜商は大型右腕・樺田魁、打線では4番・内田恭輔に注目。内田はパワフルなスイングで本塁打を量産する強打のサードだ。

 同ブロックでは星槎国際湘南にも注目。春は3回戦で敗れたが、スラッガー・松下 壮悟、俊足強肩巧打の外野手・小倉 健太朗など好野手が揃う。総合力をさらに高め、夏へ向かっていきたい。

[page_break:ノーシードの強豪・藤嶺藤沢は勢いに乗れるか?

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ノーシードの強豪・藤嶺藤沢は勢いに乗れるか?

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藤嶺藤沢エース・矢澤宏太

 春8強の湘南学院鶴嶺二宮の勝者と対戦。エース・関野 柊人を軸に守り勝つ野球で勝負する。夏へ向けて攻守で底上げをしていきたい。同ブロックの注目はノーシードで登場する藤嶺藤沢。初戦の相手は平塚湘風に決まった。エース・矢澤宏太は安定感を高め、球数を少なくして、100球前後で完投できる投手になれるか。打線は矢澤、4番・宮原悠貴、5番須田 敬人を中心に長打力のある打者が多い。ただ接戦になると攻めのバリエーションが少なく、走者を出してもなかなか得点ができない展開が続いた。攻めの引き出しを増やすことができれば、苦しい試合展開になったとしても勝ち進むことができるだろう。

 大型チームの対戦が少なく、勢いに乗っていけば、ノーシードから決勝進出も十分にあり得る組み合わせとなっている。

 同じくシードの横浜創学館磯子工西湘の勝者と対戦。2年生の技巧派左腕・佐藤考輔など投手の頭数は豊富だが、勝ち上がるためには全体の底上げが不可欠。打線は上位下位まで切れ目のない打線が特徴だが、左腕投手への対応力が課題。その課題を克服すると上位進出の可能性も高いだろう。同ブロックでは相洋に注目だ。

 ベスト4の鎌倉学園は3番・新倉将大、4番・松丸航太郎、5番・中野 雅大のクリーンナップは県内トップクラスの破壊力を誇る。課題となった投手力を鍛え、甲子園を狙う。同ブロックでは好投手・富田歩擁する平塚江南、総合力の高さがウリの平塚学園に注目。

 日大藤沢新村太郎重富 陸の両左腕に注目。今年3月からOBで通算219勝を挙げた山本昌氏がコーチに就任し、投手力は大きくレベルアップ。一気に頂点を狙う。同ブロックでは強肩捕手・宮川勇汰など好野手が多い藤沢翔陵に注目だ。

 横浜を筆頭に大型チームが多い今大会。横浜が圧倒的な力を見せるのか、それともほかのチームが横浜の覇権を阻むのか。南神奈川は7月8日からスタートする。

(文=河嶋宗一

この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

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