Interview

今里凌(専大松戸)「軽く打つ意識で打撃開眼を」

2018.04.11

 2015年夏以来の甲子園を目指す専大松戸。その専大松戸を引っ張るのが、今里凌選手である。185センチ82キロと恵まれた体格から高校通算25本塁打を記録する長打力に、広角に長打を打てる技術を持つ。一次予選の市立松戸戦で4打数3安打の活躍を見せ、上々の滑り出しを切った今里に打撃面で意識していることを伺った。

(取材日 4月10日 市立松戸戦 試合後の取材より)

今年は大事な場面で1本を打てる打者となりたい

今里凌(専大松戸)「軽く打つ意識で打撃開眼を」 | 高校野球ドットコム
今里凌(専大松戸)

―― 今日の今里選手は4打数3安打の活躍でした。1安打目についてまず振り返ってほしいと思います。

今里 打席に立つ前、監督さん(持丸監督)からは、市立松戸の投手は右サイドで結構変則的なフォームで勝負する投手だけど、フォームに騙されず、しっかりとしたポイントで打てと指示がありました。それだけを考えて、しっかりと来た球を打つことを考えていました。しっかりとストレートをとらえることができてよかったです。

―― 2打席目は点差を広げる3ランでした。

今里 チャンスの場面だったので、初球からどんどん狙って行けと指示が出ていて、カーブをとらえることができました。体が開いていれば打球は切れてファールになっていたかもしれません。体を開かずに腰をしっかりと回すことができて、よかったと思います。

―― 3打席目は左中間を破る適時二塁打でした。

今里 相手は球速がない左投手で、監督さんからはストレートは引っ張って、変化球は逆方向へ打つ指示が出ていました。変化球をうまく呼び込んで打てたと思います。

―― 今里選手の打撃を見ると、インパクトまで最短距離で振り抜いた打撃ができているように感じます。

今里 自分が意識していることは、大きい打球を打つことではなくて、チームが勝つために出塁、内野手の間を抜く単打を打って走者につなげようと思って打席に立っています。技術的に意識していることは構えからリラックスをして、トップを早く作って、来た球をしっかりとしたポイントで打つことを大事にしています。

―― 最近、フルスイングする打者が多くなっている中、今里選手はスムーズにバットが振れていると感じます。

今里 自分を強く振りすぎてしまうと、悪い癖が出てしまうことがあったので、軽く打つイメージで打席に立つと、長打が出ているので、そのイメージで立っています。

―― 「軽く打つ」。そういう意識を持つことで、打撃面でどのような変化が現れましたか?

今里 今年の練習試合のはじめは強く振ることを意識しすぎて調子を崩していました。でも、スムーズにとらえようという意識をもってから確実性が上がりましたし、良い感じでとらえることができていると思います。

―― 強いスイングを意識したことは今里選手の長打力を身に着ける上で重要な過程だったのでは?

今里 そうですね。この冬は、スイングを強くすることがチームの目標でしたので、去年の冬よりもスイングする数を増やして、ティー1箱120球を3セット必ずこなして、そのあとに素振りを行うサイクルをこなしました。スイングは強くなったので決して無駄ではなかったと思います。

―― 今里選手の打撃のイメージを体現するために参考にしている打者はいますか?

今里 自分が参考にしている打者は昨年プロ入りした西川愛也選手(花咲徳栄)です。西川選手は自分のイメージ通りの打撃をしている選手なので、試合前に映像を見ながら試合に入っています。

―― 秋の県大会では初戦敗退でした。この試合の敗戦を受けて、今里選手はどんな思いで冬を過ごしてきたのでしょうか?

今里 あの試合で自分たちは「弱い」と再認識しました。冬の間、自分たちは下手くそだと思って練習に取り組んできました。春で大事にしているのは、相手の強さ問わず、冬にやってきた成果を出すことを目標にしています。今日の試合ではチャンスで1本打つことができましたし、ヒットを打つこともできましたし、内容は良かったと思います。

―― では今後の意気込みとどんな選手になっていきたいのかを教えてください。

今里 チャンスで1本が打てる勝負強い打者になることです。本塁打や打率にこだわりはなく、とにかくチャンスで打てる打者になりたい。なぜそういう気持ちになったのかというと、去年夏の千葉大会の準々決勝・東海大市原望洋戦の8回裏。二死三塁で僕に打席が回ってきたのですが、セカンドゴロに終わりました。その直後に同点に追いつかれ、勝ち越されて負けてしまったので、自分が打てれば勝てた試合だったと思います。

 だから今年はチャンスで1本打てる打者となって、昨夏を超える戦績を絶対に残したいと思います。
 

この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

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