盛岡中央高等学校(岩手)
バッティング練習の様子(盛岡中央)
経験豊富な2年生軍団が挑む冬
■銀次選手の出身校!
岩手県は盛岡市にある、盛岡中央高校。地元東北のプロ球団・楽天ゴールデンイーグルスに所属する銀次選手が高校球児時代を過ごした学校、そして野球部だ。1999年以来の夏の甲子園を目指すチームは、冷たい北国の冬で、どのような鍛錬を積むのだろうか。
■「捲土重来」で雪辱へ
この夏の岩手大会では、3回戦で花巻東を1対0で破った盛岡中央。18人の3年生部員を見送って、2年生19名、1年生8名の新チーム体制に移行した。彼らが掲げたスローガンは、「捲土重来」。物事に一度失敗した者が、猛烈な勢いで巻き返すことを表す四字熟語だ。夏の悔しい思いを、新たなチームで晴らすという意気込みの下、始動したのである。
■経験豊富な2年生が中心に
甲子園出場を目標に据える盛岡中央は、経験豊富な選手が多く、秋季大会で彼らは躍動した。投手リーダーを務める石澤 優馬は、先述の花巻東戦で5安打完封を達成した左腕。球速こそ130キロ前半と決して速い投手ではないが、制球力の高さ、ストライク、ボールの出し入れのうまさで勝負し、エースとしてチームを牽引した。花巻東戦で唯一の得点となる本塁打を放った後藤 厚樹は2年からレギュラーとなり、171センチ90キロと恵まれた体格を誇り、新チームでも本塁打を量産し、高校通算20本塁打、投げても140キロを超えるストレートを投げ込む。
また、右腕の石澤 拓人も同じく投手として牽引。野手も昨夏から経験している選手が多く、正捕手の湊 彩世は巧みなリードで、投手陣を盛り立て、湊抜きでは夏、秋の上位進出はなかった。さらに守備力が高く、前チームからセカンドのレギュラーだった佐藤 太陽も見逃せない存在だ。
■秋はベスト8でも残った悔しさ
プレーでチームを導く主将・狩野 龍矩(遊撃手)によると、ここまでのチームの戦いで印象的な試合は、秋季県大会の準々決勝、黒沢尻工戦だ。2点ビハインドで迎えた最終回に、一打同点のチャンスを演出したものの、これを得点に繋げることができず、2対4で敗戦。ベスト8には入ったものの、「ただただ悔しかった」という。
「県大会では結果を残しましたが、他県の強豪校と練習試合を行ったときは、力の差を感じさせられました」と狩野主将が語るように、県8強であっても、高みを目指す上で、満足は出来なかった。
■「臥薪嘗胆」のオフ
そして今シーズンのオフに掲げたテーマは、「臥薪嘗胆」だ。意味はもちろん、「成功のために苦労に耐えること」。オフは厳しく体をいじめ抜くトレーニングが続くが、寒い冬の中で彼らはこれを乗り越える決意をした。
グラウンドは校舎から約5キロ離れたところにあり、現在は使用できないため、中庭で他部活と共同で使用している。週3回しか使用できないという不利な状況で、夜には体育館練習や、ジムでのトレーニングを行って鍛錬を積む。
盛岡中央のオフシーズンの練習で、代表的なものを挙げてもらうと、100スイングの早素振りを10セット、リストの強化練習、加圧をつけた状態で行うサーキットトレーニングなどがあるという。肉体が悲鳴を上げそうになっても、夏を見据え、「臥薪嘗胆」を胸に、彼らは己を鍛え抜く。
オフシーズンの意気込みを狩野主将に伺うと、「2年生は最後の冬になるので、悔いの残らないように。1年生も2年生に負けない体作りをして、一日一日を大切に練習したいと思います」と誓った。「捲土重来」、そして「臥薪嘗胆」を合言葉に、夏まで実力を積み重ねていってもらいたい。
[page_break:投打の柱に聞く今後の目標]練習の様子(盛岡中央)
チームの大砲とエースに聞く
ここからは、後藤 厚樹選手(2年)と石澤 優馬投手(2年)にお話を伺いました!
Q.秋の大会や練習試合が終わって見つけた課題を教えてください。
後藤:まず一つ目は、自分自身の技術力のなさを感じました。調子のムラが激しく持ち味の長打を減らしてしまい、現時点で通算20HRという結果を悔しく思っています。投手としても140kmに到達したのは良かったですが、球のキレは全国レベルの投手に劣っているので、投打ともに磨いていこうと思います。
石澤優:立ち上がりに課題があり、また変化球の精度や、試合を投げていく上での力配分なども考えなければいけません。
Q.このオフシーズンの目標、個人的に強化したいことを教えてください。
後藤:甲子園に行くための準備としてこのオフシーズンは、とても大事な時期です。オフシーズンは「自分の体を知る」を目標に、下半身と体幹を中心に強化していきたいと思っています。
石澤優:球速、スタミナと制球力すべてを向上させるため、下半身強化を重点的にやっていこうと思います。
Q. 応援する方々へ自分のここを見てほしいというのを教えてください!
後藤:僕の長所である長打を見てほしいです。そして、気迫のこもった投球も見てほしいです。支えてくださる方々への感謝の気持ちを忘れずに、野球をすることで、自分の長所が出ると思います。
石澤優:右打者へのインコースの投球、ピンチでの粘り強さです。
Q.このチームの好きなところは、または他のチームに負けていないところはどんなところですか?
後藤:いつも笑顔が絶えず、辛い時もみんなで笑顔でいられるところです。
石澤優:練習量、練習時間は負けません!個性豊かで楽しいチームです!
Q. このオフシーズンで『自分はここまで成長するぞ!』と、いうこの冬の熱い宣言を最後にお願いします!
後藤:誰にも負けない体の強さと気持ちの強さで、絶対に50本塁打以上打ち、プロ野球選手になります。
石澤優:体重増加、ウエイトトレーニングを頑張ります!
後藤選手、石澤優選手、ありがとうございました。
今年も大好評!
【冬が僕らを強くする 特設ページ】
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