Interview

片山 昂星(東海大菅生)「神宮、そして甲子園を揺るがすスラッガーへ」

2017.11.18

 東海大菅生の2年生スラッガー・片山 昂星昨夏の甲子園では16打数8安打、打率5割をマークした。

(収録日:2017年12月)

豪打、快打を連発した夏の活躍を振り返る

片山 昂星(東海大菅生)「神宮、そして甲子園を揺るがすスラッガーへ」 | 高校野球ドットコム
片山 昂星(東海大菅生)

 片山の特徴といえばフォロースルーまで豪快に振り切るスイングだ。入学当初からできていたわけではなく、下級生の時からの課題でもあった。

「先生(若林監督)からずっと指摘されていて、自分が求められているのは長打なんだなと思いました」と振り返る片山。そこから豪快な打撃スタイルを確立するために強くスイングできる体を作り上げていった。昨春からは本塁打を量産。2年夏の西東京大会の桐朋戦で放った犠牲フライから調子を上げていった。決勝では、清宮幸太郎擁する早稲田実業と対戦。

――決勝戦早稲田実業戦は観客動員3万人と満員の中で迎えた試合でした。やはり緊張はありましたか?

片山:緊張はそれほどでもなかったです。

――早稲田実業の先発は、雪山幹太投手。雪山投手に対し、どのような対策をしましたか?

片山:チェンジアップが良い投手ですので、それを絞っていました。あらかじめ絞っていれば、打てると考えていました。

――決勝では、中前安打で先制打を放ち、さらに適時二塁打を打つなど大活躍でした。

片山:打ったのは雪山投手のチェンジアップでした。9回表の二塁打も、追い込まれていたので、チェンジアップが来るだろうと配球を読んでいたので、狙い通りに来たので打つことができました。この試合は思い通りのバッティングができました。

――そして甲子園に入って、青森山田戦でも豪快な本塁打を打ちました。打った球種は?

片山:これもチェンジアップです。チェンジアップを打つのは得意で、変化球待ってのストレートも、打てます!

――片山選手の打撃スタイルで特徴的なのは、左中間への打球がよく伸びることです。どんな感覚で打っているのですか?

片山:よく、「狙っているのか?」と聞かれるのですが、狙ってはいないです。ちょっとタイミングが遅れたら、たまたま左中間へ飛んでいるんですよね。

――片山選手の打撃フォームを見るとややツイストした形で打っているのですが、あれは何か意図があるのでしょうか?

片山:そうですね。小学校の頃、父にその打法を教えてもらったので、その名残が残っているのかと思います。

[page_break:サードコンバートと新打撃フォームへの挑戦]

サードコンバートと新打撃フォームへの挑戦

片山 昂星(東海大菅生)「神宮、そして甲子園を揺るがすスラッガーへ」 | 高校野球ドットコム
片山 昂星(東海大菅生)

 昨年、夏の甲子園では16打数8安打と絶好調だった片山だったが、準決勝で敗れた花咲徳栄戦では、フォームを崩し、秋の一次予選まで状態を取り戻すことができなかった。1回戦の二松学舎戦(試合レポート)では4打数0安打に終わった。

 2017年11月時点で、高校通算本塁打は21本。片山はさらなるレベルアップを目指し、現在は色々な形を試してバッティング練習に臨んでいる。

「足を高く上げたり、すり足にしたりと、いろいろな形を追求しています。いずれは打撃フォームを完成させて、本塁打を量産するだけではなく、ミスショットを減らし、どんな球でも対応できるようになりたいです」
 最後に片山が自信に持つ「スイングスピード」がどれほどのレベルなのか?可視化するべく、実際にスイングスピードを測ってみた。

片山選手がたたき出した脅威のスイングスピードに注目!

 スイングスピードの測定に使ったのは「スイングトレーサー」。まず一発目に143.5キロを出し、隣で見ていた遊撃手・田中 幹也は「必死の思いで自分は141キロを出したのに軽々と出している…」とため息。ここからの片山は凄かった。その後も、156.8キロ、158.7キロと脅威のスイングスピードをたたき出し、そしてラストの1球で、159.9キロをマーク。見ていた周りの部員は大歓声。片山は、インパクト時に、ヘッドスピードの速さで大きな力を与え、速い打球かつ、遠くへボールを運ぶことができる。

 また、スイング軌道を見ると、ヘッド角度が-28°、スイング軌道が13.1°とアッパー気味にとらえていて、ローリング回転も3.31回転/秒とバックスピンがかかりやすい打者であることがデータを見てわかる。

 片山に話を聞くと、「ボールに角度をつけたいためにアッパー気味でボールをとらえていますし、打球に角度をつけたい思いは強い」と話してくれた。あとは片山の課題である「ミスショット」が新フォーム変更によって大きく減らすことができれば、今年はもっと神宮球場を揺るがすスラッガーに成長してくれるはずだ。

この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

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