ビタミン足りていますか?
タンパク質の恩恵を受けるためにはビタミンB群とビタミンCが不可欠
ビタミン足りていますか?
身体を大きくするためにはバランスのよい食事とともに食べる量や必要な栄養素なども考えながら、今の自分に適切なものを適量食べることが大切です。筋肉の材料となるのはタンパク質(=英語でプロテイン)なので、普段の食事からタンパク質を多く含む食材を意識して食べている選手も多いでしょう。肉や魚、卵、チーズやヨーグルトなどの乳製品、納豆や豆腐などの大豆製品などなど。これにエネルギー源となる炭水化物(ご飯やパン、麺類など)をとるとよい…と思われがちですが、野菜や果物などに多く含まれるビタミン・ミネラル分も意識してとってほしいと思います。
タンパク質を大量に取り込んでも、吸収を高めるビタミンB群(特にビタミンB6)が不足すると体内は「タンパク質が不足した状態」になってしまうことがあります。ビタミンB群はタンパク質をより細かい分子であるアミノ酸にまで分解するときに必要になるのですが、これが不足するとせっかくとったタンパク質が分解されないまま体外に排泄されるということになります。トレーニング後のプロテイン補給は欠かさず行っていても、ビタミンB群が足りなければその恩恵を十分に受けることが出来なくなるということ。また筋肉をつけたい一心でプロテインなどを過剰に摂取しても1度に吸収されるタンパク質量には上限があり(個人差はありますが50g程度)、過剰摂取を繰り返すと肝臓や腎臓などに大きな負担がかかって体調を崩す要因ともなることを覚えておきましょう。
またビタミンCもタンパク質の合成に重要な役割があります。タンパク質はビタミンB6などの働きによって、より細かい分子であるアミノ酸に分解されますが、そのアミノ酸を必要な形に再合成し、結合組織を構成するコラーゲンを作るときなどにも必要になります。コラーゲンはタンパク質の一種であり、骨や腱、靱帯など身体を支える部分に多く使われています。ビタミンCが不足するとアミノ酸からタンパク質へと合成する能力が落ち、トレーニングなどで傷んだ筋線維を修復するのに時間がかかったり、免疫力が低下することによって体調を崩しやすくなったりするということが起こります。
ビタミンB、ビタミンCとも水溶性ビタミンと呼ばれ、過剰に摂取した分は尿などに含まれて体外に排泄されますので、とりすぎを心配することはありません。大量にとっていたタンパク質を適量にし、その分食事などでビタミンB、ビタミンCをより意識してとるようにすることが結果的に筋力アップにつながると言えるでしょう。
文:西村 典子
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