試合レポート

東京学館船橋vs国分

2017.09.19

もらったチャンスで爆発した東京学館船橋が圧勝するも投手陣は不満

東京学館船橋vs国分 | 高校野球ドットコム
3番手の松永幸誠(東京学館船橋)

 試合前のシートノックを見た限りでは、まさかこんなに得点が開いていく試合になるとは思えなかった。改めて、四死球が試合の流れを変えていくものだと思わされた試合展開でもあった。

 千葉国分は初回、先頭の吉田光希君が中前打で出ると、四球もあって二塁まで進める。2回も一死から3連打でチャンスを作ったものの、スクイズ失敗などでチャンスを逸する。3回も、二死二塁から4番上原晃君が中前打するものの、二走の吉田君が三本間で挟まれてタッチアウト。千葉国分は、ことごとくチャンスを潰していく形になってしまっていた。

 そして、その裏の東京学館船橋は、7番高橋拓人君が左前打で出ると、死球後バントで一死二、三塁、1番に戻って本間大祐君が中前打して二者が帰って先制。これで、いくらか慎重になりすぎたのか、千葉国分の阿久津創君は連続四球で満塁から川田君も四球で押し出しで3点目。さらに、内野ゴロの本塁送球がそれて、二者が帰り、河野仁君の犠飛もあって、この回6点が入った。

 これで、試合の主導権は一気に東京学館船橋のものになった。東京学館船橋の黒川敏行監督は、代打を送ったということもあって4回からは2番手として本間雄大君につないだが、千葉国分は4回、その本間雄大君に一死二塁から志田大樹君の左翼線二塁打で1点を返す。しかし、反撃もここまでで、投げていくうちに、本間君は、投球リズムを作り出していった。

 そして、東京学館船橋は5回にも、河田君の二塁打や、河野君の三塁打など、この回はしっかりと打って3点を追加した。千葉国分は、反撃しきれないままだった。7回には、東京学館船橋は3人目の松永幸誠君を送り出したが、長身でダイナミックに投げおろしてくるタイプで、1年生でもあり、将来性を感じさせる投球フォームでもあった。黒川監督も「じっくり育てて、将来的には千葉県でも注目される投手になってほしいなと思っています」と、期待は高い。

 もっとも、この試合に関しては、黒川監督は「0には抑えていたものの、先発投手が悪すぎましたね。このままの試合展開でいくと、打線も打てなくなるのではないかという気もしていましたから、早目に見切りをつけました。秋の大会は、1日でどうなるかわからないというところもありますから…。今日はこういう展開になれましたが、昨日やれていたらわかりませんでしたから」と、慎重だった。

 千葉国分としては、序盤は毎回チャンスを作っていただけに、そこで一本でも出ていたら、まったく違う展開になっていたであろう。千葉国分も、しっかりとよく練習が出来ているという印象で、スコアほどの差はなかったように思う。ただ、ちょっとしたことで、こういうスコアにもなってしまうのが、高校野球である。まして、キャリアの浅い秋の新チームは、こういうケースも少なくない。

(文・写真=編集部)

東京学館船橋vs国分 | 高校野球ドットコム
注目記事
2017年秋季大会 特設ページ

この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

関連記事

応援メッセージを投稿

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

RANKING

人気記事

2024.05.11

【24年夏全国地方大会シード校一覧】現在28地区が決定、長野では松商学園がノーシードに

2024.05.11

名門・東海大相模の進路紹介!プロ注目打者は東洋大、エースは中央大で早くもリーグ戦に出場!

2024.05.11

【2024年最新版 スーパー中学生リスト】 関東地区の強豪校注目の遊撃手、高校スカウト殺到の大型左腕、中村剛也の長男など38人をピックアップ

2024.05.11

【新潟】プロ注目右腕の帝京長岡・茨木が完封、日本文理とともに決勝進出<春季県大会>

2024.05.11

シニア日本代表が発表!選抜大会準優勝の主力打者、ベスト4の主将、優秀選手などが選出!

2024.05.08

【全国各地区春季大会組み合わせ一覧】新戦力が台頭するチームはどこだ!? 新基準バットの及ぼす影響は?

2024.05.11

【24年夏全国地方大会シード校一覧】現在28地区が決定、長野では松商学園がノーシードに

2024.05.06

センバツV・健大高崎は夏も強い! Wエース抜きで県大会優勝、投打に新戦力が台頭中!

2024.05.06

【関東】山梨学院と常総学院がそれぞれ優勝、出場校の対戦が確定<春季大会>

2024.05.06

【春季埼玉県大会】花咲徳栄4回に一挙10得点!20得点を奪った花咲徳栄が昌平を破り優勝!

2024.04.21

【愛知】愛工大名電が東邦に敗れ、夏ノーシードに!シード校が決定<春季大会>

2024.04.22

【春季愛知県大会】中部大春日丘がビッグイニングで流れを引き寄せ、豊橋中央を退ける

2024.04.29

【福島】東日本国際大昌平、磐城、会津北嶺、会津学鳳が県大会切符<春季県大会支部予選>

2024.04.23

【大学野球部24年度新入生一覧】甲子園のスター、ドラフト候補、プロを選ばなかった高校日本代表はどの大学に入った?

2024.04.21

【兵庫】須磨翔風がコールドで8強入り<春季県大会>