あの降雨ゲームを思い出す、後藤(滋賀学園)の心理状況
あの降雨ゲームを思い出す、後藤(滋賀学園)の心理状況
第99回全国高等学校野球選手権地方大会。昨日(9日)は、29大会で295試合が行われました。雨のため、佐賀と熊本の全試合が中止。大阪、兵庫、香川、徳島、福岡、長崎、宮崎の一部試合が中止やノーゲームになりました。鹿児島では今夏初の延長15回引き分け再試合があり、沖縄ではベスト4が決まりました。
今日(10日)は全国22大会で192試合が予定されています。
さて昨日は、滋賀大会取材してきました。開幕日に選抜出場の滋賀学園が登場。昨秋ベスト4の彦根翔陽・翔西館連合チームと対戦しました。
滋賀学園
302 011 032 =11
520 000 101 =9
彦根翔陽・翔西館
バッテリー
滋賀学園:宮城、島邊‐後藤
彦根翔陽・翔西館:北川、細川、徳田‐大前
滋賀学園は先発の宮城滝太投手が2回まで7点を失い降板。山口達也監督も「誤算だった」と苦しい心境を明かしましたが、公式戦初登板の2年生左腕・島邊太成投手がゲームを立て直しました。
8回表に3点を入れて逆転しましたが、[stadium]皇子山球場[/stadium]には雨が数十分後に迫っていたのです。一気に暗くなり、雨雲がはっきり近づいているのがわかる状況に。逆転したものの、捕手の後藤克基選手はあることを思い出していました。「(昨夏の)浦添商のこともある。早く8回裏を終わらせたいと思った。(雨がもってほしいと)祈るような気持ちもありました」。
浦添商のゲームとは、ちょうど1年前の7月9日。沖縄大会3回戦のことです。
浦添商
200 110 32 =7(9)
000 710 0X =8
小禄
8回表に勝ち越しながら、裏が完了しなかったために、7回までのスコアで降雨コールドゲーム。このスコアを見て思い出される方もいるのではないでしょうか。
滋賀学園の後藤選手の言葉からも、若干の焦りがあったようです。『早く裏を抑えて、8回表の得点を有効にしたい』という思いが伝わってきました。
因みに大会本部に確認したところ、8回裏が完了しないと表の得点が有効にならないことという認識でした。
結局、9回まで進み、無事にゲームセット。その直後、皇子山球場は落雷とともに、大雨になりました。取材に応えていた山口監督も雨を見るや、「うわぁ」と驚いた表情。まさにギリギリの所でした。滋賀学園にとっては、天気の神様にも恵まれたのかもしれませんね。
(文:松倉雄太)