本当に知っている?試合時の「周知徹底事項」
大会で気をつけたい「周知徹底事項」
高校野球では先日紹介した【重点指導事項】と別に、【周知徹底事項】というのが毎年定められ、加盟校に通達されます。今回は今年度の【周知徹底事項】を紹介します。
平成 29年「周知徹底事項」 日本高等学校野球連盟 審判規則委員会
高校野球は甲子園の全国大会も都道府県大会でも、すべて同じ考え方で運営されていなければなりません。また高等学校野球連盟の役員と審判委員は、いつも同じ考え方、同じ立場で高校野球を運営、指導すべきです。以下について、周知徹底をお願いします。
1 試合をテンポ良く進めるために
① 攻守交代時、先頭打者および次打者とベースコーチはミーティングに参加せず、速やかに所定の位置につく。
② サインは複雑なものはなくし、速やかに出すよう監督に協力を求める。
③ 遅延行為と見なされる投手のけん制はしない。(例えば離塁していない走者へのけん制など)
④ 捕手の動作は機敏にする。(速やかなサイン、用具の着脱、バックアップや打ち合わせの後、速やかに守備位置へ戻るなど)
⑤ 投球を逸した捕手は敏速にその球を自分で処理する。
⑥ 捕手のブロックサインは禁止。また内野手から投手へのサインは簡単にする。
⑦ 内野手が投手へ返球する場合、塁線から投手よりに近づかず送球する。
2 マナーについて
① 投手のウォームアップ時に、次打者などが打者席付近に近づき、タイミングを測る行為を禁止。
② 走者やベースコーチなどが、捕手のサインを見て打者にコースや球種を伝える行為を禁止する。もしこのような疑いがあるとき、審判員はタイムをかけ、当該選手と攻撃側ベンチに注意を与え、すぐに止めさせる。
③ ベースコーチが打者走者 (走者)の触塁に合わせて『セーフ』のジェスチャーとコールをする行為の禁止。
④ 本塁打を打った打者の出迎えはしない。
⑤ 喜びを誇示する派手な「ガッツポーズ」などは、相手チームへの不敬・侮辱につながりかねないので慎む。
3 規則上特に注意すべき事項について
① 投手に基本的なルールを徹底する。 (投手板への着き方 、自由な足の位置 、自由な足の踏み出し、軸足の移動とはずし方、投球動作・ストレッチの中断など )
② 捕手(野手)はボールを持たないで、走路に位置してはいけない。
③ 走者の野手に向かってのスライディング。
④ 打者走者のダイヤモンド内へ膨らんでの走塁や、送球を妨害する意図をもって野手に向かう走塁。
⑤ 盗塁を助けるため捕手の送球直前のスイングや、わざと打者席から前へ出る行為。
⑥ 死球を得るために投球のコースから逃げない打者 (投球を避ける動作のないもの)
4 その他
① 金属製バットおよびヘルメット (打者用、捕手用とも)の保守、点検の励行。
② 試合中に死球などで大きな衝撃を受けたヘルメットは使用不可。
③ 危険防止のため、グラウンド内にいる全ての選手(特に次打者、ブルペンの選手)は投手が投手板に位置したならばプレイに注目すること。また試合中、練習中を問わず、捕手が座って投球を受ける場合は必ず捕手用具一式を着用のこと。
④ 日程、時間に余裕がある場合でもスピーディーな試合進行の励行。
⑤ 投手はロジンバッグを指先だけで使用し、丁寧に取り扱うこと。
選手、指導者の皆さん。今一度この周知徹底事項をよく読み、理解した上で、夏の選手権大会に臨んでくださいね!
(文:松倉雄太)