試合レポート

神村学園vs美来工科

2017.04.26

守りからリズムを作った神村学園がベスト4へ進出

神村学園vs美来工科 | 高校野球ドットコム
俵森大輔(神村学園)

「とにかく守りからリズムを作っていくぞ。」序盤、アンダーハンドの美来工科比嘉太陽の前に苦しんだ神村学園打線だったが、小田大介監督は打撃のアドバイスをするのではなく、守りを冷静にし必ずやってくるチャンスを待つことをナインに伝えていた。「美来工科さんの打線は凄い。ほころびから大量失点につながることだけは避けたかった」ことを念頭に置いていたからだ。初回こそ三者凡退だったが、2回、3回と二塁へ進める。4回には二死からとはいえ、島中大輔田中祐大に連続ヒットが生まれるなど、徐々に捉えつつあった。

5回、神村学園は先頭の俵森大輔がライト前ヒットで出塁。直後にパスボールで二塁まで進む。しかし送りバントで進めたかったがキャッチャー前でバウンド。美来工科神山諒介が捕球し二塁へ転送し挟殺プレーとなった。互いにミスが出て痛み分けかと思われたが、1番後藤拓真の死球が明暗を分ける。次打者の羽月隆太郎がレフト前へ運び満塁とすると、田中怜央那がスクイズをきっちりと決めて1点を先取。ここで4番前畑太壱が4番打者として最高の仕事を果たす。センターの奥を深々とやぶる2点タイムリー三塁打で一挙3点を先制した。

 投げては2年生のサウスポー俵森大輔が好投。「東海大福岡さんの試合ではコールドだったこともあって80球。一日空いたし疲れもないようなので投げさせたが、狙いは別にある」と語る小田監督。俵森は次世代のエースを背負う投手として期待を込めている左腕。

 

 2018年、3年ぶりの選抜出場を果たすには、今秋の九州大会出場が前提となるが、その目標を達成するには、俵森の活躍が不可欠。そのときに、各県の上位校が来る大会で連投連勝してこそ、大きな目標を成し遂げることが出来ると考えている。常に上を念頭に置かなければ、激戦鹿児島を勝ち抜くことは出来ない。そういう意味で、小田監督は俵森に高いレベルを求めている。ライバル・鹿児島実が同日、三季連続優勝を目論んでいた福岡大大濠を破っており、ライバルも強さを発揮している。

 その俵森は8安打4三振2四死球で完封。また、9回裏のレフト・島中大輔のフェンス際のスーパーキャッチが飛び出した。「攻める守りを見せろ!」と激を飛ばし続けた指揮官の思いに、ナインたちがファイト溢れるプレーで、見事に応えた。

(文・写真=當山 雅通

神村学園vs美来工科 | 高校野球ドットコム
注目記事
2017年度 春季高校野球大会特集

この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

関連記事

応援メッセージを投稿

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

RANKING

人気記事

2024.05.15

【全国各地区春季大会組み合わせ一覧】新戦力が台頭するチームはどこだ!? 新基準バットの及ぼす影響は?

2024.05.16

【宮城】仙台一、東北、柴田、東陵がコールド発進<春季県大会>

2024.05.15

獨協大の新入生に専大松戸の強打の捕手、常総学院のサード、市立船橋のトップバッターが加入! 早くもリーグ戦で活躍中!

2024.05.16

【秋田】夏のシードをかけた3回戦がスタート、16日は大館鳳鳴などが挑む<春季大会>

2024.05.15

【島根】出雲商-三刀屋、大田-益田東など初戦から好カード<地区大会組み合わせ>

2024.05.15

【全国各地区春季大会組み合わせ一覧】新戦力が台頭するチームはどこだ!? 新基準バットの及ぼす影響は?

2024.05.13

【24年夏全国地方大会シード校一覧】現在29地区が決定、愛媛の第1シードは松山商

2024.05.14

大阪体育大の新入生に兵庫大会8強の145キロ右腕、金光大阪の1番センター、近大附の4番打者など関西地区の主力が入部!

2024.05.13

大阪桐蔭、山梨学院、慶應義塾…強豪校・名門校の昨年度卒業生はどの進路を歩んだのか?【卒業生進路一覧】

2024.05.12

学法石川の好捕手・大栄利哉が交流戦で復帰! 実力は攻守ともに世代トップクラス!身長200センチ右腕を攻略し、完封勝利!

2024.04.21

【愛知】愛工大名電が東邦に敗れ、夏ノーシードに!シード校が決定<春季大会>

2024.04.29

【福島】東日本国際大昌平、磐城、会津北嶺、会津学鳳が県大会切符<春季県大会支部予選>

2024.04.22

【春季愛知県大会】中部大春日丘がビッグイニングで流れを引き寄せ、豊橋中央を退ける

2024.04.22

【鳥取】昨年秋と同じく、米子松蔭と鳥取城北が決勝へ<春季県大会>

2024.04.23

【大学野球部24年度新入生一覧】甲子園のスター、ドラフト候補、プロを選ばなかった高校日本代表はどの大学に入った?