県立日向高等学校(宮崎)
集合写真(県立日向高等学校)
ベスト8まで勝ち進めた3つの理由
■日向高校の有名なOBといえば青木 宣親選手!
宮崎県日向市にある日向高等学校は1975年に開校し、今年で42年目を迎える県立高。同校で有名なOBといえば、ヒューストン・アストロズに所属し、2017年のWBC日本代表に選ばれた青木 宣親選手である。昨秋ベスト8まで勝ち進んだ日向は、この春は県大会ベスト4以上、夏は甲子園出場を目指している。日向ナインは現在、どのような課題に取り組んでいるのか。
■日向高校の環境について
1年生15名、2年生9名の24名で活動する日向。今年のチームのウリについて田中 歩主将は「試合でのベンチの雰囲気」、「走塁力」、「投手力」、「全力疾走」の4つを挙げてくれた。両翼95メートルのグラウンドがあり、ほぼ全面を使えるという恵まれた環境で、練習を重ねている。
また日向高校は進学校で知られるが、学業面で田中主将に工夫していることを伺った。
「テスト前など定期的に勉強会を開いています。この勉強会で学習面でもチーム内で切磋琢磨する雰囲気が生まれていきます。1年生も分からないところを2年生に聞けたりするので、非常にありがたいです。勉強会は1時間セットで行っていきます。このくらい集中して出来ないと試合での集中力は持続しません。帰宅しても宿題はあるのですが、効率的に行い、少しでも自主練ができるように工夫しています」
こうして勉強も、野球もできる日向野球部となっていくのだ。
昨秋は聖心ウルスラ、富島など強豪校を破ってベスト8まで勝ち進んだ日向。印象的な試合として田中主将は聖心ウルスラ戦を挙げ、この試合について詳しく振り返ってくれた。
「3回に先制し5回に逆転されましたが、6回に再逆転しました。2点リードの最終回も二死一、三塁のピンチを抑えて勝ちました。この試合は捕手としても主将としても強気に攻めようと考えていました。最終回はドキドキしましたが、絶対に勝つという気持ちで戦いました。最後の打者を抑えた時はもの凄くうれしかったです!」
ベスト8まで勝ち進んだ要因について、田中主将は3つ挙げてくれた。
「1つ目は、全ての試合で1番バッターの兒玉 一樹が出塁してくれたのが大きかったと思います。2つ目は投手が粘り強く投げてくれ、ディフェンスもミスが少なく頑張ったことです。3つ目はベンチの雰囲気が良いことで、ベンチの声で流れを持ってこれたことが何度もありました。あと部長の菅先生が一番ベンチで声を出していたので、春以降は菅先生に負けない声を出したいです(笑)」
だが課題ももちろん残った。特に敗れた準々決勝の延岡学園戦では大きな差を感じたようだ。
「チームとしての力がまだまだ足りないと思いました。打球の速さや走塁の技術も差があったのでそこを補っていきたいです。また、延岡学園との試合においては守備のエラーなどミスが多く、それまでの試合で出なかったミスが出てしまいました。この試合を通して、ディフェンス面の更なる強化と、どのような試合でも普段通りのプレーができるメンタル面の強化をしていかなければならないと感じています」
この課題を克服するために冬の練習に励んでいる。
■ベスト8進出に貢献した日向の注目選手を紹介!
田中主将に昨秋活躍した選手を詳しく教えていただいた。
・黒木 航基(投手):ピンチを数々抑え、エースとして投げぬいてくれました。
・兒玉 一樹(三塁手・1番バッター):全試合で出塁。得点に絡んでくれました。
・山口 玲央(左翼手・3番バッター):大事な場面でのヒット。特に聖心ウルスラ戦ではチャンスメークに貢献してくれました。
・山口 未空翔(二塁手):堅実な守備で勝利に貢献。特にベスト8がかかった高鍋戦では好プレーを見せてくれました。
そして春の活躍に期待したい選手も多くいるようだ。彼らについても期待を込めている。
・戸田 勝也(遊撃手):守備の要としての成長を期待しています。
・川口 龍二(投手、外野手):黒木との二枚看板になってほしいです。
・星崎 竜也(外野手):足が速く守備範囲が広い選手です!
・秋實 謙吾(捕手、一塁手、外野手):長打力に期待しています!
・寺田 歩夢(捕手、一塁手):寺田にも長打力に期待しています!
■名物練習はピラミッドラン!
この冬は春ベスト4以上、そして夏は甲子園出場を目標に掲げて厳しい冬のトレーニングに励んでいる。その中で一番きついのはインターバル走。チームでは「ピラミッドラン」と呼んでいる。
「400メートルトラックでタイムが決まっていて、400mダッシュしたら400mのジョグがインターバルになります。400mダッシュの1本ごとにクリアタイムが1秒ずつ短縮されていきます。日によって3本~10本走ります。タイム設定がかなりキツいのですが、終わったときの達成感は半端ないです!」
そして田中主将はこの冬の意気込みを宣言してくれた。
「1、2年生ともに苦しい練習でも絶対に諦めず、チーム全体で声を掛け合って冬を乗り越え、まずは春に向けて頑張りたいです」
成長した姿をこの春に見せつける。
バッテリーが語る冬へ向けての課題
田中 歩選手(県立日向高等学校)
引き続き田中主将と、さらにエースの黒木 航基投手にも選手個人としての質問に答えていただきました。
Q. この秋を振り返って、見つけた課題を教えてください。
田中:秋の大会は配球の部分がまだまだだと感じました。どれだけ投手が良くても捕手がしっかりしないといけないので頑張りたいです。
黒木:疲れてくると、高めに球が浮いて打たれたので、スタミナ不足だと感じました。変化球のコントロールの大切さも課題となりました。
Q. この冬はどんな冬にしていきたいですか?
黒木 航基選手(県立日向高等学校)
田中:ホームランを打てるように下半身と体幹を強化していきたいです。また、配球を深く知り投手を活かしていきたいと思うので、毎日配球ノートを部長の菅先生に提出し、添削してもらい勉強しています。
黒木:この冬は、ストレッチや体幹などのトレーニングをとにかくして、走りまくって球速145キロを投げられるピッチャーになりたいです。
Q. 野球をする上でモットーにしている、好きな言葉は何ですか?
田中:努力に勝る天才なしです!
黒木:1人はみんなのために、みんなは1人のために。
Q. このチームの好きなところ、または他のチームに負けていないところはどんなところですか?
田中:試合中に思いっきり声を出して盛り上がれるところ。とにかく、勝利を目指して一緒に頑張っていける雰囲気があります。チームワークが良いというところが大きいです。
黒木:チームの雰囲気、チームワークが良いところです。勝つために全員が必死に練習しており、厳しい中にも仲が良くメリハリがあることです。
Q. このオフシーズン、『自分はここまで成長するぞ!』と、いうこの冬の熱い宣言を最後にお願いします!
田中:春以降、ホームランを20本以上打てるようになりたいです。
黒木:毎日のキツいトレーニングに耐えて、とにかく走り、点を取られないピッチャーになりたいです!
田中主将、黒木投手ありがとうございました!
名物練習のピラミッドラン(県立日向高等学校)
いかなる時もぶれない人間に
最後に本薗 義秀監督にお話を伺いました。
Q. 今年のチームは、新チームが始まってから、どんなテーマを持ってチームを作り上げてきましたでしょうか。秋の大会の振り返りならびに、冬でのテーマも教えていただけたら幸いです。
投手力は計算が立つと思っていたので、ディフェンス面からゲームを作り、走塁などを絡めて少ないチャンスをものに出来るよう考えていました。ただ、新人戦、秋の大会と普段なら出来ているプレーが出来ずエラーから負けてしまいました。そこは、メンタル面が大きく関係していると思います。
まずは、「当たり前のことを素晴らしく」できるように足下の学校生活から見直し、時間に厳しく動けるようになり、いかなる時もぶれない人間になって欲しいです。練習では基礎基本の徹底、トレーニングでは生徒を追い込みますが、乗り越えて精神的に成長して欲しいと思います。そこが成長すればまだまだ可能性は広がると思います。
Q. 最後に、これから厳しい冬のトレーニングに挑む選手たちへメッセージをお願いします。
冬のトレーニングを通して、どんな困難にも立ち向かい、乗り越える人間になって欲しいです。まだまだ、追い込みますが、この冬があったから夏は勝ち抜けたと言えるように頑張りましょう。
本薗監督、日向高校の皆様、ありがとうございました!
今年も大好評!
【冬が僕らを強くする 特設ページ】
各チームのページ下部にあるフォトギャラリーもお見逃しなく!