試合レポート

東海大高輪台vs郁文館

2016.10.11

東海大高輪台・宮路 11奪三振の好投!自覚を持つようになったきっかけとは?

東海大高輪台vs郁文館 | 高校野球ドットコム

宮路悠良(東海大高輪台)

 東海大高輪台は1回裏、一死二塁から宮路悠良(2年)の中前適時打で1点を先制。そして5回裏には、6番佐藤豪紀(1年)の中前2点適時打で3対0と点差を広げた。

 投げてはエースの宮路が好投を見せた。コンパクトなテークバックから繰り出す速球は常時130キロ~135キロ前後とこの時期の高校生投手としてなかなか速く、たびたび138キロを計測しており、速球の勢い自体もなかなかで、マックスは140キロ中盤を計測するということだが、それも頷けるストレートであった。ストレート以上に良かったのが変化球。本人曰く、今日の変化球の切れはイマイチだったようだが、縦割れするカーブ。スライダーのキレも良く、低めに決まっているのが良い。9回を投げて、1失点、11奪三振、2四死球の完投勝利を挙げた。

 投手として格段の成長が見えたと感じさせた投球内容であった。
1年の時から135キロ前後の速球は投げていたが、コントロールが甘く、ストレートが入らないと投球にならなかった1年前と比べるとまるで別人だ。

「やっとですが、自覚が出てきたんですよね」と語るのが宮嶌孝一監督だ。
これまでは3年生に頼り切りで、練習態度も淡々としていて、宮嶌監督は物足りなさを感じていたという。そこについていろいろ厳しく指導していた。それでもなかなか響かなかった。宮嶌監督は本人が変わらなければ意味がないと思い、本人が変わることを待ち望んでいた。

 そして新チームになって、宮路は「自分が変わらなければならない」と思い、投球内容を見直した。そこで磨いてきたのはコントロール。
「投球はスピードよりもコントロールが大事だと思うので、しっかりと磨き直してきました。あとは初球、変化球を投げたいとき、ストライクを入れられる確率を高めること。そして3ボールになってもストライクに入れられるよう、練習試合から心がけてピッチングをしてきました」
 その取り組みはしっかり功を奏し、夏場の練習試合で好投を続け、そして宮嶌監督も自覚してほしいという立場から背番号1を着けさせ、登板するたびに好投を続ける宮路を見て、「ようやくですが、自覚が芽生えて、彼の高校野球がスタートしたなと思います。でもこのままでは終わってほしくありません。もっと伸びる器だと思っています」と期待を込める。
 そして宮路も、「プロ入りを目指してやっていますし、今のままでは満足していないです」と自覚ある姿を見せてくれた。

 エース・宮路が安定感ある投球。あとは4番伊東翼(1年)、青木海斗(2年)といった主力打者がどれだけ奮起できるかにかかっているのではないだろうか。

東海大高輪台vs郁文館 | 高校野球ドットコム
注目記事
・2016年秋季大会特設ページ

この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

関連記事

応援メッセージを投稿

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

RANKING

人気記事

2024.05.08

【全国各地区春季大会組み合わせ一覧】新戦力が台頭するチームはどこだ!? 新基準バットの及ぼす影響は?

2024.05.07

【山陰】益田東と米子松蔭、鳥取城北が石見智翠館と対戦<春季大会組み合わせ>

2024.05.07

【鹿児島】神村学園は昨秋4強の鶴丸と初戦で対戦<NHK旗組み合わせ>

2024.05.07

【北海道】函館大有斗、武修館などが初戦を突破<春季全道大会支部予選>

2024.05.07

【熊本】九州学院が文徳を破って22年ぶり3回目の優勝<RKK旗>

2024.05.08

【全国各地区春季大会組み合わせ一覧】新戦力が台頭するチームはどこだ!? 新基準バットの及ぼす影響は?

2024.05.06

【2024年夏 全国地方大会シード校一覧】現在27地区が決定!

2024.05.02

春の神奈川準決勝・東海大相模vs.横浜の黄金カード実現! 戦力徹底分析、試合展開大胆予想!

2024.05.02

【茨城】常総学院、鹿島学園、水戸一、つくば秀英が4強入り<春季県大会>

2024.05.02

激戦必至の春季千葉準決勝!関東大会出場をかけた2試合の見所を徹底紹介!

2024.04.21

【愛知】愛工大名電が東邦に敗れ、夏ノーシードに!シード校が決定<春季大会>

2024.04.22

【春季愛知県大会】中部大春日丘がビッグイニングで流れを引き寄せ、豊橋中央を退ける

2024.04.23

【大学野球部24年度新入生一覧】甲子園のスター、ドラフト候補、プロを選ばなかった高校日本代表はどの大学に入った?

2024.04.21

【兵庫】須磨翔風がコールドで8強入り<春季県大会>

2024.04.22

【鳥取】昨年秋と同じく、米子松蔭と鳥取城北が決勝へ<春季県大会>