試合レポート

都立清瀬vs専修大附

2016.10.10

清瀬が攻守にきちっとまとまりを示して会心の試合で専大附を下す

都立清瀬vs専修大附 | 高校野球ドットコム

清水君(都立清瀬)

 雨で二日間、試合がお預けとなった[stadium]立川球場[/stadium]だったが、この日は予定通りの試合が消化できた。

 都立清瀬はエースで4番の清水君が中心のチーム。専修大附はこの夏も片倉と1対1で延長15回引き分け再試合を戦って制するなど、岩渕 一隆監督はいつも、ロースコアできっちりと戦うチームを作っていく。その先発マウンドは左腕の宮島君だった。

 両エースの対戦で試合は淡々とした投手戦として進んでいった。ともに、自分のリズムを大事にしながら、いいテンポで投げ込んできて、早い展開の試合となった。

 先制したのは都立清瀬で4回。一死から清水君が安打で出ると冨島君のバントが三塁手の頭上をふわりと超えていって内野安打となり一二塁。併殺崩れで一三塁となった後に、7番柿沼君が少し浅めに守っていた左翼手頭上を越える二塁打で帰した。

 先制点の切っ掛けを清水君が自ら作ったことになったのだが、その清水君はタテのスライダーが非常にいい。これで打者の目を引き付けておいてキレのいいストレートも低めにコントロールされてくると、そう簡単には打たれないだろうなという印象だ。こうして清水君が好投している都立清瀬。6回にも追加点を挙げる。

 この回の都立清瀬は3番からの好打順で今井君が中前打で出塁すると、清水君は四球で一二塁。バントで進めて、一死二三塁とした後、米倉君が「しっかりセンターへ返していこう」というベンチの指示通りの打撃できっちり2者を返すタイムリー打となった。さらに当たっている柿沼君がまたしても左翼手頭上に長打して宮島君をマウンドから降ろした。代わった小齋君に対しても内野ゴロで柿沼君を帰した。これで、この回4点のビッグイニングとなった。

 専修大附は7回に一死で四球の笹川君を置いて6番澤君の右越三塁打で1点を返したもののここまで。ついぞ、清水君のリズムのいい投球を攻略しきれなかった。

 八丈から異動で都立清瀬へ赴任して2年目、この秋季大会からベンチを預かることとなった磯村 健二監督は、「先頭打者(松宇君)が、アウトになりましたけれどもいい感じでしっかりと捉えていたので、なんとか行けるんじゃないかなと思いました。誰がいるというチームではありませんけれども、みんなでつないでいこうという気持ちを出していき、それがいい形になったのだと思います」とつなぐ意識が成果を示したことを素直に喜んだ。夏まではチームの指揮を執り、今大会からは責任教師としてベンチに入っている渡部 正樹部長も、「会心の試合といっていいですね」と言うように、思い通りの試合だったようだ。

 専修大附としては、結局、清水君の投球の翻弄された形になってわずかに3安打。走者が出れば、きっちりとバントで進めていくという手堅い野球をモットーとしている岩渕監督だが、無死からの走者が一度もなかった。また、7回に1点返してなおも一死三塁でスリーバントスクイズを試みたが、三振で三塁走者も挟まれてアウトで併殺という最悪の形となったのも痛かった。

(文・写真=手束 仁

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この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

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