コザvs沖縄尚学
強心臓の一年生左腕・護得久廉。優勝候補を抑える快投!
コザ・護得久廉
コザが沖縄尚学を破るためには仲村宏史朗の前に走者をためることが出来るかがカギと書いた2回戦。その答えをコザは初回に出した。一死から大城大空がライト前ヒットで出塁。次打者は三振に斬られるが4番仲宗根廉がセンター前ヒットで続いた。ここで見るからに気合十分の仲村宏史朗のバットから、ベンチとスタンドの期待に応えるレフト越えの二塁打が生まれる。一塁走者の仲宗根廉が生還しコザが2点を奪取した。
一方、3回を終えて僅か1安打に抑えられていた沖縄尚学は4回裏、二死三塁から5番木村哲汰のショートへの内野安打タイムリーで1点差に迫ると、5回には一死二塁から岡留英貴がレフト越えのタイムリーを放ち同点に追い付く。そして、この日の試合を左右する緊迫した攻防が6回裏に訪れた。
沖縄尚学は、この回先頭の仲与志亮輔がレフトへの二塁打で出塁。次打者のセカンドゴロの間に三塁を陥れ一死三塁で、主砲砂川リチャードと先ほどタイムリーを放った木村へ繋げた。このピンチに今大会初のマウンドを預かる護得久廉(ごえく)が「低めを突けば大丈夫」と、一年生らしからぬ強心臓ぶりを発揮する。結果砂川をサードゴロ、木村をキャッチャーのファールフライに打ち取り、見事切り抜けた。すると打線は8回表、無死一・二塁のチャンスを得る。次打者の、強攻の一打はファーストへのライナーとなり併殺となってしまったが、打席に立った照屋竣生が値千金となる三塁への強襲安打タイムリーで3点目をボードに刻んだ。
この勝ち越し点を護得久が守りきり、優勝候補筆頭だった沖縄尚学を撃破。最後の打者を三振に斬った護得久は拳を突き上げガッツポーズ!1995年以来、20年間閉ざされていた準々決勝進出の扉を開けた歓喜の瞬間が訪れた、コザにとって記憶に残る素晴らしいゲームだった。
(文=當山 雅通)