試合レポート

鴻巣vs松山

2016.09.14

少ないチャンスを物にした鴻巣が県大会進出

鴻巣vs松山 | 高校野球ドットコム

小澤(鴻巣)

 新人戦北部地区ベスト4で今大会シードの埼玉松山と前の試合で上尾を破った鴻巣との一戦、埼玉松山が坂本 涼鴻巣小澤 弘輝と両エースが先発し試合が始まる。

 坂本はアンダーハンドからMAX120km台の直球と、スライダーなどの変化球を両コーナーに投げ分ける技巧派投手、一方の小澤は、力感の無いフォームからMAX130キロ前半の直球に曲がりの大きいスライダーや縦の変化球などを投げるオーソドックスな右腕だ。

 1回表、埼玉松山は鴻巣・小澤の立ち上がりを攻めたて、先頭の島田 耕太朗がライト前ヒットを放ち出塁すると、すぐさま二盗を敢行する。だが、鴻巣のキャッチャー中野拓実に刺されると、後続も倒れ無得点でこの回を終了する。

 一方の鴻巣も一死から2番・井上がインターフェアで出塁すると、二死後、4番・澤本 翔がレフト線へヒットを放ち二死一、二塁とチャンスを広げる。だが、後続が倒れ鴻巣も先制機を逸する。

 2回以降は、坂本、小澤両投手が持ち味を発揮し、投手戦の様相を呈す。試合は両チーム無得点のまま5回まで進む。

 先制したのは埼玉松山であった。

 5回表、一死から8番・坂本がセンター前ヒットを放ち出塁すると、続く河村がきっちりと送り二死二塁とする。ここで、1番・島田がレフト線へタイムリー二塁打を放ち1点を先制する。


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坂本(松山)

 一方、先制を許した鴻巣もその裏、すぐに反撃を開始する。この回先頭の中野がセンター前ヒットを放ち出塁すると、続く小澤も死球を選び無死一、二塁とする。続く菅原 達也がきっちりと送り一死二、三塁とすると、鴻巣ベンチは2番・井上の所でスクイズのサインを出す。だが、ここは埼玉松山バッテリーに外されてしまい二死三塁とチャンスが萎む。それでも、井上が四球を選び、二死一、三塁とチャンスをつなぐと、続く中谷 弘斗がレフト前タイムリーを放ちまず同点、さらに4番・澤本がレフト線へ2点タイムリー二塁打を放ち、一気に3対1とし逆転に成功する。

 逆転を許した埼玉松山は6回表、この回先頭の根岸 幹大がレフト前ヒットで出塁すると、すぐさま二盗を狙うが再び鴻巣・中野に刺されチャンスを逸する。8回表もこの回先頭の河村の内野安打を皮切りに二死一、二塁と鴻巣・小澤を攻め立てるがあと一本が出ず万事休す。

 結局、少ないチャンスを物にした鴻巣が、上尾戦に続き完投した小澤の好投もあり、3対1で勝利し県大会へ駒を進めた。

 まず鴻巣だが、小澤、中野のバッテリーを中心とし、打線も少ないチャンスに集中打が出るなどチームがよくまとまっている。特に小澤は相手打者や状況を見て直球にも緩急をつけるなど、長いイニングを投げるための工夫がみられる。県大会でも小澤の投球がチーム浮沈の鍵を握りそうだが、現状では北部を代表する好投手と言ってよいであろう。

 一方の埼玉松山も坂本は良く投げていたが、5回のピンチで共に初球を痛打された場面は、ややバッテリーに配慮が欠けていた印象を受けた。勝負所でどう配球し組み立てていくのか、この敗戦を機に春以降バッテリーが成長の跡を見せることができるか注視してみていきたい所だ。

(文=南 英博

この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

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