試合レポート

松山聖陵vs今治北

2016.07.28

松山聖陵・アドゥワ 誠「140キロ右腕」対決制し甲子園王手!

 中盤までの息詰まる投手戦。この展開を演出したのは今治北先発・山本 颯輝(3年・右投右打・180センチ69キロ・今治市立南中出身)である。

 2回表に松山聖陵5番・福里 李希(3年・三塁手・182センチ83キロ・那覇市立城北中<沖縄>出身)に先制アーチを許すも、3回戦で前年覇者・今治西を破る原動力となった強いストレートはこの日も冴え、4回表にはついに自己最速タイとなる「140キロ」もマーク。5回までは3安打1失点と強打を誇る松山聖陵打線に仕事をさせなかった。

 ただ、今治北・山本 颯輝と同じく最速140キロ超え、これまで145キロをマークしている松山聖陵のプロ注目右腕・アドゥワ誠(3年・右投右打・195センチ75キロ・熊本中央リトルシニア<熊本>出身)も落ち着いていた。

 2回裏には7・8・9番に三連打を浴び一死満塁のピンチを背負うも、次打者を冷静にチェンジアップで二ゴロ併殺。3回裏に計測した最速143キロを筆頭にした130キロ後半のストレートを内角へ。120キロ台のチェンジアップを内外角へ。さらに110キロ後半のスライダーも駆使し、5回裏・一死一・三塁から2番・眞木 尚希(3年・遊撃手・167センチ60キロ・右投右打・今治市立北郷中出身)に同点スクイズを許しても、大きく崩れる気配は見せなかった。

 そして松山聖陵打線は、中盤以降一気呵成に攻める。6回表に無死二。三塁から福里の2点適時打などで3点を奪って好投の山本 颯輝をついにマウンドから降ろすと、7回表にも代わった右サイド・上谷 和大(3年主将・右投右打・176センチ63キロ・今治市立日吉中出身)から一死二・三塁のチャンスをつかむとアドゥワの女房役でもある4番・稲葉 智也(3年・捕手・右投右打・166センチ75キロ・宇和島ボーイズ出身)が試合を決める中越2点三塁打。9回にも1点を加えて8安打7得点と効率よく攻め抜いた。

 そして、アドゥワは9安打を浴びながらも6奪三振1失点でまとめ128球完投勝利。素材から「勝てる投手」への進化を遂げつつあるエースがいる松山聖陵は、ついに初の甲子園出場に王手をかけたのである。

(文=寺下 友徳)

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この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

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