試合レポート

大手前高松vs富岡西

2016.05.04

富岡西、収穫多き8年ぶり「春季四国舞台」

大手前高松vs富岡西 | 高校野球ドットコム

大手前高松・門内 快航(3年)

「いい試合を見させてもらいました」。

 特等席の三塁側ベンチから見た試合の感想を漏らしたのは富岡西・小川 浩監督。8年前・2008年の初出場初勝利以来の勝利こそならなかったが、2度目の春季四国大会で彼らは多くの収穫を手にした。

 その収穫を得る過程も確かなものだった。前日の球場公式練習では紅白戦形式で逆方向とヒットエンドランの意識を徹底。最速139キロのストレートを持つ大手前高松門内 快航(3年・投手・右投右打・172センチ72キロ・高松市立桜町中出身)に対し、球速を利用して打つことで中盤までは完全に主導権を握った。

 さらに先発左腕・紀本 幸太郎(3年・投手・左投左打・174センチ65キロ・阿南市立阿南第一中出身)は最速137キロをマークした伸びのあるストレートに、この春から投げ始めたシュートを軸とした変化球が有効に決まり、8回117球6安打6奪三振。「ゆったりしたフォームから腕をしならせてくるので、そこに踏み込むタイミングを修正するまで3回かかった。いい投手でした」と敵将・山下 裕監督も絶賛の内容だった。

 7回裏はミス絡みで同点とされ、8回裏には9番・橘 大輔(3年・右翼手・右投右打・166センチ65キロ・三木町立三木中出身)の遊撃内野安打、盗塁。そして1番・寿賀 蒼音(2年・左翼手・左投左打・173センチ61キロ・高松市立勝賀中出身)が三塁線を抜く二塁打という大手前高松らしい攻撃で決勝点を奪われた富岡西だが、ここで得た経験値は最終目標の「打倒・鳴門で初甲子園」へ向けての大きな糧になることだろう。

 丸亀の地では鳴門がポテンシャルを示し、高松では富岡西が健闘。これで四国大会では3大会連続初戦敗退。通算10連敗となった徳島県勢であるが、トンネルの出口、光は確かに見えている。

 

(文=寺下 友徳

大手前高松vs富岡西 | 高校野球ドットコム
関連記事
・2016年秋季大会特設ページ

この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

関連記事

応援メッセージを投稿

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

RANKING

人気記事

2024.05.13

【24年夏全国地方大会シード校一覧】現在29地区が決定、愛媛の第1シードは松山商

2024.05.14

大阪体育大の新入生に兵庫大会8強の145キロ右腕、金光大阪の1番センター、近大附の4番打者など関西地区の主力が入部!

2024.05.13

大阪桐蔭、山梨学院、慶應義塾…強豪校・名門校の昨年度卒業生はどの進路を歩んだのか?【卒業生進路一覧】

2024.05.14

【春季東京都大会総括】日大三、二松学舎大附など強豪校がノーシードの波乱! 新基準バットでも9本塁打の帝京が驚異の打力で王者に

2024.05.13

【北海道】帯広大谷、遠軽、函館大柏稜が全道大会出場へ<春季全道大会支部予選>

2024.05.08

【全国各地区春季大会組み合わせ一覧】新戦力が台頭するチームはどこだ!? 新基準バットの及ぼす影響は?

2024.05.13

【24年夏全国地方大会シード校一覧】現在29地区が決定、愛媛の第1シードは松山商

2024.05.14

大阪体育大の新入生に兵庫大会8強の145キロ右腕、金光大阪の1番センター、近大附の4番打者など関西地区の主力が入部!

2024.05.09

プロスカウトは190センチ超の大型投手、遊撃手、150キロ超右腕に熱視線!この春、浮上した逸材は?【ドラフト候補リスト・春季大会最新版】

2024.05.09

【熊本】九州学院は城北と文徳の勝者と対戦<NHK旗組み合わせ>

2024.04.21

【愛知】愛工大名電が東邦に敗れ、夏ノーシードに!シード校が決定<春季大会>

2024.04.29

【福島】東日本国際大昌平、磐城、会津北嶺、会津学鳳が県大会切符<春季県大会支部予選>

2024.04.22

【春季愛知県大会】中部大春日丘がビッグイニングで流れを引き寄せ、豊橋中央を退ける

2024.04.22

【鳥取】昨年秋と同じく、米子松蔭と鳥取城北が決勝へ<春季県大会>

2024.04.23

【大学野球部24年度新入生一覧】甲子園のスター、ドラフト候補、プロを選ばなかった高校日本代表はどの大学に入った?