食事と食事の間を取り持つ補食
補食はエネルギー源のみならず水分補給にも役立つ
■食事と食事の間を取り持つ補食
学校が始まり、課外活動時間に練習を行うことが多くなると、食事のタイミングを考慮しなければなりません。特に朝練などがある場合は、朝食から昼食までの間が長くなってしまったり、昼食から夕食までの間が長くなったりして、空腹のまま帰路につくといったこともあるかもしれません。一方、体づくりの点からみると、空腹のまま練習を行うのはエネルギー源の枯渇につながるため、パフォーマンスの低下につながったり、集中力を欠いてケガをしてしまうことにもつながりかねません。ここで上手に活用したいのが食事と食事の間をつなぐ「間食=補食」です。
補食の目的の一つ目はエネルギー源の確保・補給です。朝練などがある場合は練習前に必ず補食(もしくは朝食)をとりましょう。炭水化物を含む食材は、食べた後に比較的早くエネルギーとして利用可能な状態になるため、補食にはご飯、おにぎり、パン、肉まんなど炭水化物を多く含んだものをとるようにします。またバナナを始めとする果物は果糖を多く含み、消化吸収も早いため補食として上手に利用しましょう。
二つ目の目的としては体づくりのための栄養確保です。特に練習やトレーニング後などは、筋肉を酷使し、筋線維が傷んだ状態になっていることが多いため、この状態から素早く回復させるためには筋肉の再生をうながすタンパク質が欠かせません。特に練習後と夕食の間にタンパク質を含む補食をとることは、枯渇したエネルギー源を補給するだけでなく、体づくりの点から見ても基礎体力・筋力の土台作りに大いに役立ちます。
三つ目の目的としては水分補給の役割を担っている点です。食べ物からも水分はとることが出来ますが、補食と一緒に飲み物をとることで汗などで失われた水分を補給することが出来ます。スポーツドリンクを選択すれば、水分とともに糖分や塩分などを補うことが出来ますし、柑橘系の100%フルーツジュースなどは疲労回復を助けるクエン酸なども含まれます。またヨーグルトドリンクなどをとると、水分とともに乳製品に含まれるタンパク質も補給することが出来ます。補食はただ単に間をつなぐための栄養ではなく、身体のコンディションを整えるために重要な役割を担っているといえるでしょう。
文:西村 典子
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