都立江戸川vs桜美林

大活躍の松本（都立江戸川）

　都立江戸川打線の勢いが止まらない。やはり早大学院の好投手・柴田迅を打ち崩したことで自信になったのか、投手力が高いことで注目される桜美林投手陣を攻略した。

　1回表、一死一、三塁から4番熊谷拓也の中前適時打で先制に成功すると、5番松本の左中間を破る適時二塁打で二者生還し3対0と先制すると、
　4回表、一死満塁から5番松本怜士の右中間を破る適時三塁打で、6対1とすると、その後も6番山本拓弥（3年）、7番神尾大介（3年）の連打で8対1と点差を広げる。その後も連打が止まらず、なんと4回表に一気に7点を入れて10対1と点差を広げた。

　とどめは三塁打、二塁打を放っている松本がレフトスタンドへ飛び込むホームラン！これで4打数3安打6打点の大活躍。あとシングルヒット打てば、サイクルヒットという大当たりである。前回の早大学院戦でも起死回生となる同点本塁打を放っており、今大会は振ればヒットの状態の松本であるが、実は一次予選は安打が出なかったという。そんな不調に苦しむ松本に控えの捕手から投手を見る目線がずれていることを指摘してもらい、1回戦の東京城北戦で適時打を放ったことで調子の波を上げていったのだった。

　ここまで都大会3試合で29得点を当たっている都立江戸川。思い切りの良いスイングができる打者が本当に多い。打席に立った打者がどんな投手なのか、どんな特徴があるのか、どういう配球なのかと、自分が感じたことをいち早く共有して、すぐにインプット。ストライクコースに来たゾーンへ、見送ることなく積極的にスイングできているのも良い。橋本監督は、「彼らは昨秋はブロック予選で負けていますから、どんどん思い切っていこうと話しています」と語るように、思い切りの良い攻めが奏功しているようだ。

　早大学院戦に続いて当たっている4番熊谷は、173センチ90キロと恵まれた体格をした強打の捕手。どっしりとした構えから、弧を描くスイング軌道をしており、まさに遠くへ運ぶことができる選手。かといって振り回すわけではなく、しっかりと広角に打ち返せる選手で、まだ目立った一発はないが、ここぞという場面で見せてくれるかもしれない。捕手としても低めが生命線のエース・山田良樹を盛り立てるリード、キャッチングと注目を浴びる存在となりそうだ。

（取材・写真＝河嶋 宗一）