試合期のランニング
試合期のランニング
試合にピークをあわせるランニングを行おう
トレーニングには年間スケジュールにあわせて、大事な試合に体力的なピークを持ってくるようにする「期分け(=ピリオダイゼーション)」という考え方が存在します。オフシーズン時のトレーニングと、試合期のトレーニングでは行うエクササイズや負荷が変わってくるというものです。トレーニングと同じように体力要素を向上させるためのランニングにも期分けを設け、その時期にあったランニングを行うことが求められます。特に試合期は試合に結びつくようなランニングを提案しています。
●技術練習でできるランニング
代表的なものがベースランニングです。ベースランニングでは試合を想定し、ケースを決めて一塁まで駆け抜けたり、長打を打ったときのロングランを行ったりすることが出来ます。試合と同じようにスパイクを履いて行うため、足関節から下肢全体にかけてかなり負担がかかることになりますので、本数や時間を決めて行うようにするとよいでしょう。また疲労困憊の状態で練習の最後に行うとケガを誘発してしまうことがありますので、過度な練習量になっていないかを確認する必要があります。ケースノックのランナーでも実際のプレーと同じように走ることができます。
●反応系のダッシュ
技術練習とは別にランニングを行う場合、スタートを意識した反応系のダッシュなどを行うこともよいでしょう。特に野球はボールを見て、判断して、動くという動作を繰り返すため、スタートの合図は笛ではなく、視覚に訴えるものであればなお実際のプレーに近い状態をつくり出すことが出来ます。左右への動きだけではなく、前後の動きもあわせて行うようにするとより効果的です。またスタートの合図とともに身体が浮き上がってしまうと、空気抵抗をより多く受けて失速しやすくなるため、せっかくのスタートダッシュが活かしきれません。構えた姿勢からなるべく視線が同じ高さで動けるように意識してスタートを切るように心がけましょう。
●連戦が続くときはロングジョギングを
公式戦では時に連戦となることがあります。試合を終えて戻ってきてからの過ごし方が、疲労回復の鍵といえるでしょう。クールダウンの一つとして、話が出来るくらいの強度で、少し長めのジョギングを行うことも疲労回復に役立ちます。時間は20分~30分程度を目安に、スケジュールにあわせて行うようにしましょう。
文:西村 典子
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