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プレミア12開幕!「食」から支えられる侍ジャパンの戦士たち

2015.11.09

プレミア12開幕!「食」から支えられる侍ジャパンの戦士たち | 高校野球ドットコム

大前 恵さん(株式会社明治・管理栄養士)

プレミア12開幕!「食」から支えられる侍ジャパンの戦士たち

 11月8日に開幕したプレミア12。第1回大会となる今大会は、世界各国から熱い注目が集まっている。実はこの大会、これまで開催されてきたWBCとは違い、各国の野球力のランキングによって出場権が与えられるのだ。
そのポイントというのは、U-12、U-15、U-18、U-21、大学代表、社会人代表、女子代表と各カテゴリの大会の成績に応じて、ポイントが与えられ、その上位12カ国が「プレミア12」に出場することができる。

 つまり、野球界の全世代で一丸となって世界一を目指すことができるという仕組みとなっている。2014年終了時の段階ですでにWBSC世界野球ランキングで1位に輝いている日本は、今回の『第1回プレミア12』でも、もちろん世界一を狙いにいく。

 そのために、侍ジャパン代表監督の小久保 裕紀監督が、野球の技術以外にも大切だと考えた中の一つが「食」である。実は、昨年の日米野球シリーズでも、日本代表は、MLBオールスター相手に勝ち越したが、ここでも、これまでの国際試合とは違う新たな取り組みを小久保監督が導入してきたが、その中でも、国際大会で勝ち抜くためには大切だと考えたのが「食」だった。

 実は、これまでの国際試合では、日本は他国に遠征にいっても、とくに食事内容や栄養面に気を遣う選手はごく一部で、まして代表のチーム単位で、食について徹底的にこだわったことはなかった。

それを昨年から少しずつ、見直し始めたことが、侍ジャパンの高いパフォーマンスに少なからず影響を与えてきたことは間違いない。

 そして、小久保ジャパンの食のサポートを全面に行っているのが、株式会社明治の栄養アドバイザリーチームだ。今回は、これまで15年間、プロ野球の球団や選手の栄養サポートに力を注いできた大前 恵さん(株式会社明治・管理栄養士)に、今回のプレミア12の開幕に向けた食に関する準備について、これまでどんなことを行ってきたのか?また実際に選手が食べている食事の工夫などを教えていただいた。


プレミア12で日本代表メンバーが食するメニューにも細かなこだわりを!

プレミア12開幕!「食」から支えられる侍ジャパンの戦士たち | 高校野球ドットコム
侍ジャパンのプレミア12の期間中に日本代表の食事の食品・食材リスト

 ビッシリと書かれた文字。内容は非公開ではあるが、実はこれは、侍ジャパンがプレミア12の期間中に、日本と台湾のホテルでの食べることとなる食材や食品名である。

その数、66種類。これは、カラダに必要な5大栄養素を、フルに摂ることができる『栄養フルコース型』の食事を完成させられるための食品項目だ。

「栄養フルコース型」の食事に必要なのは、「主食」、「おかず」、「野菜」、「果物」、「乳製品」の5つ。
明治の栄養アドバイザリーチームが長年提案し続けている食事の型だ。
栄養フルコース型に必要なのは、「主食」、「おかず」、「野菜」、「果物」、「乳製品」の5つ。
例えば主食であれば、白米に雑穀米、パン、麺類など 。おかずも肉や魚、納豆や温泉卵。野菜は、トマトやブロッコリーなど。低脂肪ヨーグルトや低脂肪牛乳などの乳製品に、バナナやオレンジといった果物も細かくリストアップされている。
その品数は、毎食用意される基本的なメニューの食材が47種類。それにプラスしてブランチや夕食の主食やおかずの例も10種類ちかく、記載されている。
 

 大前さんの開幕までの仕事は、この品目をリストアップしたのち、選手たちが宿泊するホテルと、実際の食事メニューを毎食分すべて決めていく。一度で決まることは少なく、何度も何度も、ホテル側とやり取りしながら、やっと選手の食べるメニューが決まるのだ。
プレミア12は、11月8日から21日までの14日間の大会となるが、大前さんは、毎食、選手たちがどんなものを食べれば、世界一のパフォーマンスが発揮できるようになるかを今年の夏前から考え始めて、準備を整えてきた。

「わたしたちは、食に関しても『世界一の準備』を常に行っています。宿泊先となるホテルと何度もやり取りをして細かくメニューもチェックをしています。調理法はもちろん、食材一つをとっても、実際に期待される栄養価が摂れる品質のものなのか、選手たちを満足させられる味のものなのかなど、常に考えながらメニューを作っていきます。
さらに、大会が始まってからも選手一人ひとりの様子や選手の好み、要望に合わせて追加もしていくので、これで完成というわけではありません」

 昨今では、株式会社明治の栄養アドバイザリーチームが各球団や選手たちに、手厚く食事・栄養に関するサポートを続けてきたことで、選手たち自身も食に関する意識は高まってきた。

「選手の中には、高校時代から独学で学んできた選手もいれば、プロ入り後に、チームメイトに影響されてこだわるようになった選手もいたりと、きっかけは様々ですが、最近では若い世代の選手たちはとくに、食事や栄養に関する意識が高いなと感じますね。プレミア12は、世代を超えて、全てのカテゴリの大会が積み重ねてきたポイントで出場が決まる大会ということで、若い世代の力も大事になってきますが、私たちも若い世代から食からの体作りの意識を持つことを広めていくことで、国内の野球の力をさらに底上げしていきたいと考えています」

 現在、株式会社明治は、侍ジャパンの全カテゴリの栄養サポートを行っているが、年々選手たちにも、「食」への理解が深まっていると感じている。昨日、開幕したプレミア12で日本が躍進することで、さらに、その重要性が多くの野球プレーヤーに伝わっていければと、願っている。ぜひ、みなさんからも、今大会は「食」にこだわり、野球国力No.1を目指す侍ジャパン戦士たちに熱い声援を送ってほしい。

■大前さんに食事面のアドバイスを伺ったインタビューは以下から
株式会社明治 管理栄養士・大前恵さん (前編)(2013年10月28日公開)
株式会社明治 管理栄養士・大前恵さん (後編)(2014年01月29日公開)

【株式会社 明治】

この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

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