試合レポート

関東一vs成立学園

2015.10.14

関東一、本塁打2本を含む長打10本で圧勝

2ラン本塁打を放った竹井 丈人(関東一)

 夏の甲子園ベスト4に入ったチームから、メンバーの大半は入れ替わったけれども、やはり関東一は強い。
関東一成立学園の試合は、昨年の春季都大会決勝戦と同一カード。好ゲームが期待されたが、1回表から関東一の強力打線が爆発した。

 成立学園の先発は左腕の福永 龍生。福永は関東一の1番2番をあっさり内野ゴロに抑え、順調な立ち上がりかと思えた。しかし1次予選では6番だったが、打撃好調で3番に上がった米田 克也が、初球の甘い変化球を左中間に二塁打を放つと、続く4番の佐藤 佑亮は左中間を破る二塁打でまず1点。5番竹井 丈人は初球をライトボール近くに入る2ラン本塁打を放った。

 それでも関東一の攻撃は終わらず、6番村瀬 佑斗、7番本橋 慶人の連続安打の後、8番山室 勇輝、9番佐藤 奨真に連続死球で押し出し。1回表に関東一は4点を入れた。

 さらに2回表は、二塁手のエラー2つに、竹井の三塁打、村瀬の左前安打で3点。3回表は1番宮本 瑛己、3番米田の二塁打に、4番佐藤佑の本塁打で3点。4回表は山室の二塁打などで3点。5回にも山室の三塁打などで3点を入れた。
結局関東一成立学園が送り出す4人の投手から16安打、うち本塁打2本を含む長打が10本、16点を挙げた。


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2015年秋季大会

二塁打を放った奥山 滉大(成立学園)

 一方、関東一の先発は背番号10の左腕の佐藤 奨真。米澤 貴光監督が、「夏までは背番号1をつけると思っていました」と語るだけに、変化球にキレがあり、ストレートも低めに集まり、成立学園打線は1回から3回までを1人の走者も出せず、奪三振5を記録している。

 しかし安定感に欠けることが、背番号10につながっている。この試合でも4回裏に突然乱れる。この回先頭の1番伊藤 航に粘られて四球を出すと、2番本間 颯の打球がライトへの強いゴロ。打球が速すぎて、本間は一塁で刺され、記録上はライトゴロになる。ここで1年生ながら夏の大会に出場している3番大角 健人は四球、4番奥山 滉大は右中間を破るチーム初安打となる二塁打を放ち、2点を返した。

 佐藤奬は、5回裏も下位打線に連続四球を出しピンチを招いたが、最後はエースの河合 海斗が併殺で切り抜け、16対2、5回コールドで関東一が圧勝した。

 試合後関東一の米澤監督は、「打てなくて苦しんだ時期もありましたが、今日は出来すぎです」と評価したものの、「まだ細かいことができていない」と、課題も語った。

 とはいえ、オコエ 瑠偉ら選手の個性が目立った前のチームに比べると地味な感じを受けるかもしれないが、このチームもまた、力はかなりある。

 一方成立学園は大敗はしたものの、大角 健人奥山 滉大ら夏の大会を経験した選手を中心に潜在的な力はあるように思う。ただその力を発揮するためにも、投手陣の奮起がカギになる。

(文=大島裕史


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この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

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