常総学院vs米子北
視野を広く
常総学院は走りまくった。
1番・宇草孔基(3年)と2番・竹内諒(3年)が5盗塁ずつで、それぞれ個人1試合最多盗塁タイ記録。さらに竹内は8回に3盗塁を決め、個人1イニング最多盗塁タイ記録も作った。
｢VTRを見ていて、相手(米子北)の投手のモーションが大きかったので、行けると思っていた｣と話したのは竹内。宇草との1、2番は、ノーサインでも走って良いと佐々木力監督から信頼されているようである。そして首を縦に振れば牽制がないという研究もしていた。自信を持って走った二人だけでなく、3番の和田慎吾(3年)、4番・石井大貴(3年)、8番・皆神裕平(3年)も一つずつ盗塁を成功させ、チーム全体で13盗塁。1試合のチーム最多盗塁記録にあと一つと迫った。
そんな常総学院の攻撃の中で、感心させられたのが視野の広さである。
まだどちらの流れにもなっていなかった1回表、2番・竹内の打席中に三塁側の米子北ブルペンの投球練習のボールがレフトのフェンス際へと入った。ブルペンのバッテリーはどのタイミングでタイムをかけたら良いかを伺っていたが、それに気付いたのが打席の竹内。すぐにタイムを要求した。四人の審判団が誰も気づいていなかっただけに、竹内の視野の広さが際立った場面。見方によっては、試合の流れを掴んだと言えるのではないだろうか。
同じようなことがゲーム後半でもあった。常総学院の打席は右打者の髙瀨将太郎(3年)。左打者に比べて、三塁側のブルペンでの暴投が見えにくいはずなのに、すぐに気付いた。もちろんここでも四人の審判団は誰ひとり気づいていなかった。試合後の竹内と髙瀨に話を聞くと、二人とも視野を広く持つことを普段から意識しているそうである。
こういったチームや選手が多いほど、ゲームが締まり、大会が盛り上がる！
