法政大高vs東亜学園
9回裏に3点差跳ね返し、逆転サヨナラ勝利！法政大高が東亜学園を下す
4安打放った4番野瀬祥一郎（東亜学園）
台風19号の影響による降雨は、試合終盤になるにつれて強まっていった。
9回裏、雨脚が激しくなったグラウンドの中で、東亜学園と法政大高の一戦に決着がついた。
先制点を奪ったのは、法政大高。
3回裏、一死から1番長 哲平（2年）が内野安打で出塁。
2番上野貴成（2年）が犠打。この打球を東亜学園の先発・木下雄太（2年）が二塁へ送球するも、走者はセーフ。これで一死一、二塁とした法政大高は、3番石田倫太郎（2年）が、右中間を割る二塁打を放って1点を先制。さらに、4番細田純生（2年）も中前打。
ここで二走の上野は、一気に本塁を狙うも、本塁でタッチアウト。それでも、5番原田康平（2年）の打席でのワイルドピッチの間に、法政大高は1点を追加。2対0と試合をリードする。
東亜学園もまた、点を取られたすぐ後の4回表。
秋季大会初戦で3安打放った3番合田琢哉（2年）が、右前打でチャンスメイク。4番野瀬祥一郎（2年）も中前打で続いて、無死一、二塁とする。
さらに5番曾田和磨（2年）の内野安打で1点を返すと、続く、6番木下雄太（2年）のサードゴロの間に、三走の野瀬も還って、2対2と試合を振り出しに戻す。
しかし、6回表。東亜学園もまた、打撃好調の3番合田が左前打で出塁。4番野瀬も、右前打で続くと、5番曾田の犠打で、一死二、三塁に。7番鈴木 翼（1年）も死球で、満塁とすると、8番小野公平（1年）が中前適時打を放って、勝ち越しの3点目を奪取した東亜学園。
7回には、先頭の9番白井大悟（2年）がレフトフェンス直撃の二塁打。続く、1番乗松良多（2年）、2番波多野大介（2年）が連続四死球で、無死満塁とすると、4番野瀬の打席でのワイルドピッチで1点を追加。
さらに、野瀬がセンターへの適時打を放って、5対2と、点差を広げる。
ここで、法政大高は、先発の小松陽真（2年）から背番号10の遠山健一郎（2年）にスイッチ。
東亜学園は、代わった遠山も捉え、その後も、5番曾田が死球で出塁し、再び満塁にすると、6番木下のライトへの犠飛で6点目を挙げる。
サヨナラ打を放った細田（法政大高）
4点を追う法政大高は、8回。反撃のチャンスを作る。
2番代打の伊原東吾（2年）が死球。3番石田倫太郎（2年）、4番細田の連続安打で、無死満塁とする。ここで、5番原田がセンターへの犠飛で1点を返す。
さらに、6番遠山健一郎（2年）の内野ゴロの間に、三走の石田が4点目のホームン。2点差に詰め寄る法政大高。
9回には、東亜学園の2番波多野大介（2年）が左前打で出塁し、3番合田が犠打で4番野瀬に回すと、野瀬はこの日4本目の安打を放ち、1点を追加。追う法政大高を再び引き離す。
それでも、法政大高は、
「選手たちは、最後まで声を切らさず、劣勢でも決してあきらめていませんでした」（植月文隆監督）と、最終回の攻撃に臨む。
法政大高は先頭の8番佐藤が四球で出塁。
ここで、9番の代打に町田祐太（1年）が送られる。
「練習試合でも代打で出場することが多かったですが、この場面で打席に送られたときは、緊張もありました。それでも、次につなげようという思いで振り抜きました」と、町田のフルスイングは、ライトへの三塁打に。一走の佐藤は一気にホームに生還。1年生・町田の一振りから、流れは少しずつ、法政大高に流れ込んでいく。
1番長、3番石田が四球を選んで、一死満塁と逆転のチャンスを作ると、東亜学園は、ここで2番手・坂本陸友（2年）をマウンドに送る。
雨脚が強まる中で、迎えた打者は3番細田。すでにこの試合3安打放っている細田は、この場面でも、走者一掃の右中間を割る二塁打を放って、3点を追加。
最後は、一走の石田がサヨナラのホームを踏んで、試合を決めた。
東亜学園は、リードした得点を守りきれず、8対7で法政大高に逆転負け。9回裏から、勝利を収めた法政大高は、3回戦で、大森学園と対戦が決まった。
惜しくも、あとアウト2つで勝利を逃した東亜学園ナインは、試合後、涙に濡れながら球場をあとにした。この悔しさはきっと、冬の彼らを強くするはずだ。
（文＝安田未由）
