出水中央vsれいめい
捕手交代で流れ変える・出水中央
マウンドに集まる出水中央ナイン
序盤はれいめい打線に打ち込まれ、劣勢だった出水中央の流れを変えたのは、4回の捕手交代だった。
4回、4点目をとられた時点で、荒木淳監督は捕手を高野繁樹(2年)からライトを守っていた福脇日向(2年)に替える。
エース捕手の高野はテンポの良い配球が持ち味だが、それがれいめい打線に合っていた。気迫を全面に出して投げる溝口凌平(2年)の直球は、早打ちしてくるれいめい打線の格好の標的だった。
「投手のリズムを変えたかった」と荒木監督。
計算できる投手が高野しかいない以上、リズムを変えるためにできるのは捕手を変えることだった。捕手経験は少ないが、高野と違って、福脇は間をとりながらリードができる。
「抑えることだけで必死だった」と福脇。
初球を抜いたスライダーにすることで、早打ちのれいめい打線が打ち損じてフライを打ち上げる場面が多くなった。4回以降は9回以外を無得点に抑え、狙い通り流れを変えることができた。
打線の組み替えも功を奏した。当たっていなかった和田惇平(2年)を1番から5番に、福脇を1番に入れ替えた。福脇は2安打1打点、和田は3安打2打点の活躍だった。さい配が的中し「監督さんに感謝です」と福脇は頭を下げる。
8月の北薩大会では準決勝でれいめいに惜敗。中盤までことごとくフライを打ち上げていたことを反省から、徹底して打ち込むことをこの約1カ月の間は取り組んできた。
今大会は川内、出水と北薩勢が8強に名乗りを挙げている。特に同郷の出水が先に8強に入ったことは刺激になっており「出水より先に負けるわけにはいかないぞ!」と荒木監督はハッパをかけた。苦しい戦いだったが、地区大会の借りを返し、出水に続いて8強入りを決めた。
(文=政 純一郎)