宮古vs開邦
核弾頭・池田凛の活躍で宮古が久し振りの勝利
試合を引っ張った宮古・池田 凛
「ずっと勝っていなかったので、内容はともかくこの日の勝利は素直に嬉しいです 」
と、試合後の宮古・藤井智監督は心の内を隠さずに話した。
2012年夏、新人中央大会で公式戦初優勝を遂げた宮古は、秋季県大会でもベスト４と勝ち続けた。だが翌春季県大会で豊見城に1点差で敗れると夏は美里工、秋は美来工と全て初戦敗退。この日の勝利まで、実に1年半の歳月が流れていたのだから、コールド勝ちということよりも、やっと白星がついてきたとホットしたことだろう。
試合を引っ張ったのは旧チームからスタメンに名を連ねてきた池田 凛。秋の3番からこの春は核弾頭に指名。「経験豊富な凛がチームを引っ張れ！」
そんな藤井監督の思いを、池田は最高の結果で返した。
初回、柔らかいバットコントロールでレフト前へ運ぶと2番佐平 賢太も中前安打で続き一死二・三塁とチャンスを作る。ここで力が入ってしまった開邦バッテリーのワイルドピッチで池田が生還。さらに内野ゴロの間に1点を加えた。
先発した開邦・與那嶺 駿
3回にも先頭の池田が、センターオーバーのあわやランニングホームランになるか（三塁ベースを駆け抜けようかという意思を見せた）という大きな三塁打を放つと、再び佐平が適時打で得点。とどめは6回。打者13人で7安打を集める猛攻で大量8点を加えて試合を決めた。このイニングでも三塁打と左前安打を放った池田はなんと5打数5安打（3打点3得点）の大当たり。人生初の1試合5安打に嬉しいと話す一方で、「 （主将ではないが）やっぱり自分がリーダーとしてチームを引っ張っていかないといけないという自覚はあります 」と力強い抱負を語った。
敗れた開邦だが、先発の與那嶺 駿が２回は三者凡退、そして宮古の強力な3、4番をこの試合ノーヒットに抑えるなど、一球一球を丁寧に放っていたところに好感が持てた。逆に言えば池田一人にやられたという試合でもあっただろう。
打線でもチーム力という点ではさすがに及ばないが、初回にセンター前にクリーンヒットを放った1番大城 幸太朗や、2回に無死一・二塁と攻撃の形を作ることが出来たのは、これから先の一つの自信となったのではないだろうか。
犠打を決めるときは決めるなど、一人一人の課題を少しずつクリアしていくことが、昨年の夏16強入りした先輩に近付いていくのだと信じて頑張って欲しいと願う。
(写真・文=當山 雅通)
