八戸工大一vs羽黒
4番・内山太嗣（八戸工大一）
9回に突き放した八戸工大一が勝利
両者無得点のまま進んだ試合が、動いたのは4回。
先攻の八戸工大一が、二死二塁から、5番・藤原力のセンター前ヒットで先制した。
しかし、6回、羽黒は一死から8番・真柄涼がレフト前ヒット、9番・石井悠人がセンターへの二塁打で、一死二、三塁とした。1番・大野純弥はライト前に弾き返し、二人が生還。ここで、羽黒が逆転に成功する。
直後の7回、八戸工大一は6回裏の守備から交代していた6番・山田翔平が二死からレフト前ヒットを放ち、7番・舛森 大地への2球目で盗塁。この時、送球が山田のスパイクに当たってボールの方向が変わり、転々とする間にホームへ。同点に追いついた八戸工大一は9回に一気に突き放す。
さらに、一死から4番・内山太嗣が右中間へ三塁打。5番・藤原がライト前に落ちるタイムリーを放って逆転。その後も、死球、四球と続いて8番・鶴飼が2点タイムリー。ここで羽黒は先発・真柄から高橋勇人に代えたが、8回の守備から出ていた2番・小向勇太が二死満塁からライト線に走者一掃の三塁打を放ち、一挙6点と畳み掛けた。
羽黒ナイン
八戸工大一・長谷川菊雄監督は、
「4番がチャンスを作って、藤原が執念で落としてくれました。部員全員の気持ちです」と話した。
先発した左腕・鶴飼は、青森県大会決勝の青森山田戦に先発したが、打ち込まれて2対13で敗戦。そこから調子を崩したが、この日は8安打されながらも踏ん張った。
長谷川監督は「要所で低めに集めて粘り強く投げてくれた。（青森県大会決勝の）山田戦から成長してくれました」
両校は6月1日に練習試合を行っていたが、この時は羽黒が2勝していた。
羽黒・小泉泰典監督は、
「何もかも力不足です。鶴飼君がよくて打てず、攻撃の糸口をつかめず、自分たちの野球ができませんでした。チャンスを自分たちのミスでつぶして一球に対する意識が薄かったと思います。東北大会になると1つのミスも見逃してくれません。守備も攻撃も勝てるレベルではありませんでした」と話した。
ラストイニングに突き放して勝利した八戸工大一は準々決勝で聖光学院と対戦する。
（文=高橋昌江）
