土佐、21世紀枠で20年ぶり7度目のセンバツ出場決める!
20年ぶりセンバツ出場の喜びに沸く土佐の選手達
土佐、21世紀枠で20年ぶり7度目のセンバツ出場決める!
土佐、向陽の空から20年ぶり甲子園へ~伝統の「全力疾走」を貫き、昨秋高知県3位で秋季四国大会出場を果たしたことなどが認められ、昨年12月14日に第85回記念選抜高等学校野球大会の四国地区21世紀枠候補校に選ばれた土佐(高知)。1月25日・金曜日に行われた選考委員会では、今回記念大会に伴い3枠から4枠に増枠された「21世紀枠」西日本枠の1番目で私立高校では初となる同枠選出を受けた。
その吉報が大会主催者から山本芳夫校長が待つ土佐高校校長室に届けられたのは15時5分のこと。「ありがとうございます。恐縮です。謹んでお受け致します」と返答した後、『ただいま、先生の土佐高校が、第85回記念選抜高等学校野球大会の21世紀枠となることが、大きな拍手をもって承認されましたので、ご連絡致しました』という電話でした」と、約50人が詰め掛けた報道陣へ報告した瞬間、これまで緊張感を隠せなかった山本校長の表情は、安堵と喜びを帯びたものへと一気に変化した。
数分後、山本校長は報告を待つため落ち着かない表情で校内グラウンドにてアップを行っていた選手たちの下へ向かった。「おめでとう!」と山本校長が出場報告を締めると、選手たちは20年ぶり7度目の出場を象徴するかのような初々しい喜びをそれぞれの形で表現。その中で主将の織田真史(左翼手・新3年)は「期待と不安の中で今日まで過ごしてきたが、今日出場が決まって心から嬉しかった。全力疾走と気迫あるプレーを甲子園で見せたい」と、顔を高潮させながら意気込みを述べた。
ちなみに過去、1952年春の甲子園初出場を皮切りに春6回・夏4回の甲子園出場を果たし、1953年(昭和28年)夏には夏初出場で全国準優勝。わずか12名で臨んだ1966年(昭和41年)春の第38回大会にも全国準優勝を果たした土佐だが、直近の甲子園出場は名将・籠尾良雄監督(故人)甲子園最終采配となった1993年(平成5年)春・2回戦・東北(宮城)戦が最後(3対5で初戦敗退)。浜田一志・東京大学野球部新監督(Ai西武学院塾長)、最速150キロ右腕・山形晃平(慶応義塾大・新4年)、トヨタ自動車の5年目右腕・久保地涼太(トヨタ自動車)をはじめ、過去に涙を呑んできたOBたちにとっても待望の甲子園である。
その後、自転車で向陽グラウンドに移動した選手たちは気持ちを切り替え、通常通りの練習に取り組むことに。練習後には籠尾監督から薫陶を受けた西内一人監督から涙ながらに「様々なOBの方々がいて甲子園にいけることを感謝して、勘違いしないように。これからの勝負で強い気持ち、謙虚な気持ちを持って力を出すためにしっかりやっていこう」との激励に対し、選手30名は神妙な表情でうなずいていた。
なお、土佐は2月に紅白戦等で実戦感覚と課題の守備意識を高めながら、3月16日(土)に向陽グラウンドで開催される防府(山口)との練習試合緒戦、そしてセンバツへと向かう予定。練習中も繰り返される全力疾走が大舞台に戻ってくる日は、約2ヵ月後である。
【高校野球ドットコム編集部】
ドットコムTwitter
ドットコムfacebook