西条vs今治北
6安打完封勝利を飾った伊藤顕史(西条)
西条・救世主伊藤の完封で今治西との代表決定戦へ!
今治北、西条、今治西、伯方。東予地区では実力校として認知される4チームが同ブロックに入った今大会地区予選。特に西条にとっては「練習試合では勝ってはいるけど、力はある」と菅哲也監督も話す今治北の右サイドスロー・富木敦也(2年)との対決が初戦に控える厳しい組み合わせとなった。
そんな戦前の予想通り、今治北の押し気味で始まった序盤戦。が、ここで踏ん張ったのは西条の先発右腕・背番号「11」の伊藤顕人(2年)である。球威は平均点ながらも、要所では対角線の配球が光り先制点を許さず。
そんな彼の奮闘に応え、打線も4回裏に先頭打者の3番・西川仁将(3年・主将)が放った三塁打をきっかけに続く4番・三浦瑠稀(2年)と6番・矢野義記(1年)の適時打で2点を先制した。
直後、伊藤は5回表二死無走者から3連続四球で満塁のピンチを招いた場面でも、3番・山田大翼(1年)を中直に打ち取り以後も0行進を継続。結果、打者38人に対し6安打6四死球を与えながらも粘りの完封勝利。
夏の愛媛大会でも登板した快速右腕・三好翔太(2年)の状態が上がらない中で、正に救世主的役割を果たした。
試合後は10安打も2度に渡る一塁刺殺を食らった越智康匡の(2年)の強肩にも苦しみ、4回の2点のみに終わった打線に「もう少しスケールを大きくしないと」と反省しきりだった菅監督。それでも1971年生まれの同期生である大野康哉監督率いるとの代表決定戦に向け「頑張ります」と話したその表情は、夏の準々決勝のリベンジを期すべく闘志に満ちたものだった。
(文=寺下友徳)