試合レポート

専大松戸vs松戸国際

2012.05.09

専大松戸vs松戸国際 | 高校野球ドットコム

先発した石島(専大松戸)

専大松戸が初優勝を決める

2012年の春季千葉大会決勝戦は専大松戸松戸国際。松戸市同士の対決になった。
専大松戸は昨年に続き決勝進出。昨年は習志野に惜敗。今年は悲願の初優勝へ向けて気合が入る。

一方で松戸国際は07年から石井忠道監督が就任してから力を付けてきた学校だ。石井監督の前任校は市立船橋。その前は中学校で指導し、常盤平中学校で全中大会(全国中学校体育大会)3位、松戸六中で全中大会準優勝と実績を残してきた指導者だ。
指導がきめ細かい事で有名な石井監督。豊富な練習量ときめ細かな指導で松戸国際を強化し昨秋はベスト8。今春は市立船橋木更津総合と行った強豪を打ち破り、決勝進出。初めて関東大会出場を果たした。
迎えた決勝戦。専大松戸は背番号7の石島雄敬。松戸国際は背番号1の庭田草志を送った。

今年は準々決勝で習志野を破り、勢いに乗る専大松戸は1回表に4番栗原の左前適時打で1点を先制。さらに3回表にも栗原が左前適時打を放って2対0。そして5回表には5番・白井が3ランで5対0し、松戸国際の庭田をノックアウトした。
続く6回表にも2番手の重里に対し、神宮が左前適時打で1点を追加し、6対0と試合の主導権を完全に握った。
専大松戸の石島は前日の拓大紅陵戦に続き連投。連投だが、右サイドから球威ある直球とスライダーを投げ分けるコンビネーションで松戸国際打線を抑え込む。習志野戦ではやや高めに入る直球が多かったが、今日は右打者左打者問わず制球が安定しており、危なげないピッチングを披露。7回まで無失点に抑えていた。


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:攻守にチームを牽引した栗原(専大松戸)

なんとか一矢報いたい松戸国際は8回裏に、一死2,3塁のチャンスを作り、1番熊谷のスクイズ、2番大橋の併殺崩れで2点を上げて、追い上げを見せる。
9回裏も二者が出塁するが、最後の打者が左飛に倒れ、ゲームセット。専大松戸が初優勝を決めた。

専大松戸は、昨年の世代は準優勝止まりであったが、今年は先輩を超えたということになる。昨年は上沢直之(現北海道日本ハム)、林田かずな重野雄一郎(ともに現・専修大)を筆頭に能力の高い選手が揃っていたチームで優勝候補に挙げられながら、最後の夏は4回戦敗退。
持丸修一監督は「お前たちは不本意な終わり方はしたくないだろう」と常に説いてきた。

今年は個人技ではなく、総合力で勝負すると言われるチームだが、一人の大黒柱が出来あがった。それがエースの栗原洸
投手としては僅か2試合の登板に留まり、野手を中心に出場。習志野戦では2番として3安打1打点3得点の活躍。決勝も4番として5打数4安打と目覚ましい活躍を見せた。投手としても流経大柏戦で14奪三振を奪う快投を見せており、チームの貢献度は昨年のレギュラー以上だ。

一年から経験を積んでいる神宮、永浜も主力選手として著しく成長。永浜は主将としてチームを引っ張り、プレイヤーとしてはチャンスメイクに徹する。神宮は貴重な適時打を放ち、守備も習志野戦の守備の反省を活かして、視野を広く持って守っている。他のレギュラーも一試合ごとに成長を果たし、優勝につながった。


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優勝旗を手に場内更新をする専大松戸ナイン

一方、敗れた松戸国際。シートノックから安定した動きを見せており、石井監督の下で徹底的に鍛え上げられているのが伺え、隙が少ない好チームという印象を受けた。
先発の庭田は打ち込まれたが、指にかかった時の直球は見応えがあり、万全の調子ならばどれだけ威力あるストレートを投げられるか注目してみたいモノあった。課題は変化球の精度だろう。自慢のストレートを活かせる投球術を覚えるようになるともっと幅が広がっていく。
二番手の重里は1失点のみと安定した投球を披露。左横手から手元で微妙に動くストレート、スライダー、スクリュー、チェンジアップを自在に投げ分ける投球はかなり打ち難さを感じた。ただ球威があまりない投手なので、相手打線がミート打ちに徹してくると、苦しい投球になってしまうのではないだろうか。相手の打撃をさせない投球術を極めていきたい。夏までの課題としてこの2人をどう運用していくかが勝ち上がるカギになるのではないだろうか。

両校とも関東大会では夏へ向けて収穫がある大会を送ることを期待したい。

(撮影・文=河嶋宗一)

この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

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