試合レポート

小倉vs北筑

2011.07.22

小倉が接戦を制す

球場がどよめいた。バックスクリーンの電光掲示に浮かび上がった球速表示は「144」
スタンドのあちらこちらから「速いな」という声が聞こえる。
県立北筑高校3年エースの今永昇太。140キロ台のストレートを武器にする注目の左腕だ。

福岡大会4回戦。ベスト16を決める県大会の初戦は北部県立高校の戦いとなった。

1回表、小倉北筑今永の前に三者凡退に終わる。
北筑はその裏、2番石水がヒットで出塁すると、二死2塁から4番古川のタイムリーで1点を先制する。
小倉は2回表も今永の140キロを超えるストレートの前に凡退。
3回表には、先頭の7番垂水がヒットで出塁するも、続く岡野の三振の時に盗塁死、9番川内が二死からヒットで出るも牽制死。なかなか得点に結びつけることができない。
4回表、前の回にこの試合最速の144キロを計測した左腕は、この回も速球を投げこんでいく。小倉の先頭打者は1番成瀬。142キロをセンター前に運び出塁すると、犠打で2塁へ進む。3番中村、4番川添の連続安打で1点を挙げ1-1の同点とする。チャンスは続き一死満塁となるも、後続が続かず逆転することができない。
一方の北筑は、2回以降出塁は相手のエラーでの1回のみ。三者凡退で打ち取られていく。
小倉は6回表、この回先頭の3番中村が三塁打を放つ。4番川添は143キロの速球で三振を取られるものの、5番平原がスクイズを決めついに逆転に成功する。
6回裏、北筑は一死から2番石水がこの日2本目のヒットで出塁すると、二死から盗塁。チャンスを広げるも3アウト。せっかくの出塁を生かすことができない。
7回表、小倉は先頭の垂水が安打で出塁、犠打で二死2塁とするも後続が連続三振。8回表も2番中原、3番中村と連続三振を喫し、前の回から4者連続三振を奪われる。この回も北筑今永の球は141キロを計測していた。
6回の安打以降凡退に打ち取られている北筑打線は、2-1のまま最終回の攻撃を迎える。
9回裏、北筑は2番石水、3番山本(将)が4球で打ち取られ2アウトとなる。続く古川が相手のエラーで出塁するも、井上が打ち取られゲームセット。
北筑打線は、3安打。今永の力投に応えることができなかった。

球場には、100年以上の歴史を誇る小倉高校の校歌が響く。
小倉はここ数年突破できていない準決勝進出、そして55年ぶりの夏の甲子園を目指し、まずは5回戦福工大城東と対戦する。今永に勝った打線が城東笠原とどのような対戦をするのか、楽しみである。

(文=鎌倉彩

この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

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