日大三vs佼成学園
サヨナラ満塁本塁打を放った鈴木(日大三)
というのも、今大会は東日本大震災の影響で地区大会がすべて中止になり、公正を規す為に夏の大会は東西東京すべての高校がノーシードからの戦いに。
ノーシードの場合、東京は8つ勝たないと甲子園へはいけない。
春、秋と違い連戦となる夏に向けて2番手以降の投手陣の整備は急務だったのである。
飯田をリリーフした関(日大三)
その期待に応え、関を中心に飯田、田中、中野など投手陣が奮投。
決勝こそ、10回からエース・吉永の今大会初登板があったものの、ほぼ吉永に頼らずに投手陣が投げ抜いたことで層が厚くなった。夏に向けて、経験と責任を積ませることができた。
「控え選手の戦力化」
やはり公式戦と練習試合はちがう。
そういう意味でも、この優勝は大きい。
ますます死角が見つからなくなってきた日大三。
次は関東大会でも吉永以外の投手がどんな投球を見せるのか期待したい。
一方、惜しくも敗れた佼成学園だが、溝口が初回に2点を失うも、その後は立ち直り好投。試合を作った。
そして7回にはその溝口が関からソロホームランを放ち、逆転に成功。
後一歩のところまで日大三を追い詰めた。
この試合、佼成学園はノーエラー。ダブルプレーや補殺など守備からリズムを作り、日大三相手に地に足をつけて野球をしていた。やはり来るべくしてここまで勝ち上がってきたチームだ。
関東大会という全国の舞台でどのような戦いをするのか。佼成学園の更なる飛躍を期待したい。
(撮影=国吉辰一)