試合レポート

検見川vs昭和学院秀英

2010.08.26

2010年08月25日 幕張総合高校グラウンド

検見川vs昭和学院秀英

2010年秋の大会 地区予選 代表決定戦

一覧へ戻る

検見川の攻撃

検見川松岡投手、リズムのいい投球で4安打完封

 9回こそ1死から死球を与えて、さらに連打も浴びて満塁のピンチを作ったものの、その後はしっかりと抑えるなど検見川の左腕松岡君の小気味よい投球が光った。体は大きくはないが、コントロールが非常によくストライクを先行させてどんどんと打たせていく。自分のリズムで投げられる左腕投手は特に新チームの場合は有効だというが、まさにその通りだった。8回までは三塁を踏ませることもなかったし、投球のコツを知っているというところが窺われる。打っても二番にいる松岡君は、元々センスのいい器用な選手なのだろう。

 松岡君が安定しているだけに、先制点の欲しい検見川は初回、2死から安井君右前打で出ると、四番佐藤照君の一打は中前にはじき返したが難しいバウンドとなり打球は一番深い所まで転がっていき一走が生還。打者走者も本塁を狙ったがこれは昭和学院秀英の好中継でアウトとなったものの、検見川の勢いを感じさせた。

 試合が膠着しかかった5回にも検見川は四球、バントで2死二塁とすると一番福永君が中越打を放つ。これも深い所へ転がり、しかも球が柵に当たっても跳ね返らなかったこともあって打者走者もホームイン。ランニングホーマーとなったが、福永君の思い切った走塁も見事だった。こうした積極性は見ていても気持ちがいい。

 検見川は7回にも松岡君、安井君の連続三塁打などで2点を追加、8回にも二番手小野君に対して齋藤祐君の三塁打で好機を得ると、代打岡本君がしっかり犠飛を打ち上げるというソツのない攻撃でリードを広げた。

 検見川の各打者はいずれもシャープに振って、ヘッドがきちんと回っているので打球がよく伸びる。13安打のうち6本の長打にもそれが表れているが、その長打も低い弾道で抜けていく。しっかりとスイングされている証明ともいえよう。

 前日、1イニング7点のビッグイニングで幕張総合を下した昭和秀英だったが、この日は松岡君の術中にはまった感じになってしまった。終始相手のリズムを崩しきれなかった。

 ところで、この日の会場となった幕張総合高校だが、1980年に設立された幕張西、東、北の3校が、96年に集合形態の全国初の選択制総合学園として誕生した大規模校だ。グラウンドは400mトラックのとれる陸上競技場やサッカーの専用球技場もあり、高校では珍しい水球の専用練習プールもある。これだけの施設があるのだから、もちろん部活動は盛んな学校だ。

野球場も専用球場となっている。しかし、ネット裏に観覧席の用意がなく、父母の応援や一般の人の観戦は外野からというもの。マネージャーの選手紹介の場内アナウンスの手際もよく聞こえやすかった。それだけにチョークで記入するスコアボードが薄くて見えにくかったのと、近くで観戦できないもどかしさは残念だった。

(文=手束仁


[:addclips]

[:report_ad]

この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

関連記事

応援メッセージを投稿

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

RANKING

人気記事

2024.05.31

【24年夏全国地方大会シード校一覧】現在34地区が決定、佐賀では佐賀北、唐津商、有田工、龍谷がシードに

2024.05.31

【鹿児島NHK選抜大会】鹿児島実がコールド勝ち!川内商工は終盤に力尽きる

2024.05.31

夏の愛知大会は6月28日から開幕!決勝戦は7月28日【愛知大会要項】

2024.05.31

【鹿児島NHK選抜大会】鹿屋農が"強気の勝負"で勝機を引き寄せ4強入り

2024.05.31

【北信越】富山県勢4校が12年ぶりの県勢V狙う、茨木擁する帝京長岡にも注目<地区大会>

2024.05.31

【24年夏全国地方大会シード校一覧】現在34地区が決定、佐賀では佐賀北、唐津商、有田工、龍谷がシードに

2024.05.26

【春季関東大会】白鷗大足利が初優勝!最後はタイブレークの末サヨナラ死球で幕切れ!

2024.05.26

【近畿大会注目チーム紹介】実力派監督就任で進化した奈良の名門・天理。超高校級の逸材3人を擁し、緻密な攻守で全国クラスのチームに!

2024.05.26

【近畿大会注目チーム紹介】エース頼み脱却を目指してきた京都国際。「素質はプロ入り左腕と同等」の2年生左腕の台頭と打線強化で京都の大本命に成長!

2024.05.28

交流戦開幕、初戦の注目は髙橋宏斗vs.今井達也の初対決!

2024.05.21

【大学野球部24年度新入生一覧】甲子園のスター、ドラフト候補、プロを選ばなかった高校日本代表はどの大学に入った?

2024.05.15

【全国各地区春季大会組み合わせ一覧】新戦力が台頭するチームはどこだ!? 新基準バットの及ぼす影響は?

2024.05.13

【24年夏全国地方大会シード校一覧】現在29地区が決定、愛媛の第1シードは松山商

2024.05.19

【24年夏全国地方大会シード校一覧】現在30地区が決定、青森では青森山田、八戸学院光星がシード獲得

2024.05.21

【24年夏全国地方大会シード校一覧】現在33地区が決定、岩手では花巻東、秋田では横手清陵などがシードを獲得〈5月20日〉