ケガをした選手を補助する
転んだり、ひねったりして動けなくなった選手をスムーズに安全な場所へと移動させる
野球はぶつかり合いの少ない比較的ケガの少ないスポーツであるといわれていますが(ノンコンタクトスポーツ)、それでも練習中に思わぬケガをしてしまうことがあります。転んだり、足をくじいたりしてその場で動けなくなった選手を安全にグランド外に誘導するときは、周囲の選手やマネージャーなどの協力が不可欠です。その手順について確認しましょう。
1)ケガをした選手のところへ行き、どちらの足を負傷しているか確認する。
ランニングや守備、バッティング時のデッドボールなどで足や膝を負傷し、その場で動けなくなってしまう場合があります。その際、補助が必要となりますが、まずその場に座らせた上で左右どちらの足を負傷しているかを確認します。
2)ケガをしていない側の膝を深く曲げさせる。
どちらか片方の足をケガした場合、座った状態からケガをしていない方の膝を深く曲げさせるようにします。
3)両方の肩の下から2人が補助に入り、身体をしっかり抱えるようにします。
4)ケガをした側の足に体重をかけないように指示します。
ケガの程度がわからないため、ケガをした側の足には体重をかけないようにします。
5)「斜め前方」に向かうように指示する
曲げた膝(ケガをしていない側)を伸ばして立ち上がる際に「斜め前方」に向かって身体を持ち上げるように指示します。その後かけ声をかけて補助する人と一緒に立ち上がるようにします。そこからグランド外に出るときは引き続き荷重をかけないように注意しましょう。背負える場合は背負っても構いません。安全なところまで移動し、その後RICE処置等の応急処置を行って医療機関を受診するようにします。
もし補助者が一人しかいなかったときはケガをしている側(膝を曲げていない方)の肩の下に入り、反対側の腰をもって抱えるようにすると比較的スムーズに立たせることが出来ます。もしものときにケガを目撃した場合は、ケガをしていない足に体重をかけさせず、補助するようにしましょう。
文:西村 典子
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