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DeNAの育成指名は大型重視?プロ野球選手の身長・体重・年齢を読み解く

2020.06.19

DeNAの育成指名は大型重視?プロ野球選手の身長・体重・年齢を読み解く | 高校野球ドットコム
横浜DeNAの育成指名は大型選手が多いのか?

 6月19日、待ちに待った2020年のプロ野球公式戦が開幕する。本来の予定から約3ヵ月遅れでの開幕となり、試合数、出場選手登録人数、トレード期限などが変更。例年とは違うシーズンとなりそうだ。とは言え、野球ファンたちの期待の声は日に日に大きくなってきている。そこで今回は、プロ野球選手の登録情報(年齢、身長、体重etc)を読み解き、その傾向を分析してみた。

全930人の身長・体重・年齢を分析

 現在、プロ野球には支配下選手806名、育成選手124名の合計930名が在籍しているが、全選手の平均スペック、それぞれの最高、最低をまとめたのが以下の表だ(話が複雑になるため、中央値については今回は触れない)。

DeNAの育成指名は大型重視?プロ野球選手の身長・体重・年齢を読み解く | 高校野球ドットコム

 12球団全体の平均身長は180.8cm、平均体重は84.7kg、平均年齢は26.2歳(4月1日時点)。最長身はオリックスのスティーブン・モヤで201cm、最短身は埼玉西武の水口大地で163cm。最重量は阪神のジャスティン・ボーアの122kg、最軽量は福岡ソフトバンクの川瀬晃の64kg。最年長は阪神の福留孝介(1977年4月26日生まれ)、最年少は東北楽天の澤野聖悠(2002年3月9日生まれ)で、二人の年齢差は約25歳となっている。

※分かりやすいように年齢は4月1日時点で算出しているが、沼田翔平和田康士朗は支配下選手として計算。

 さらに、これらの数字を球団別、契約別(支配下・育成)、ポジション別に見ていくことで興味深い内容が浮かび上がってきた。

育成指名に特徴が見えた横浜DeNA

 まず支配下選手と育成選手で見ていこう。12球団での平均身長・体重に関しては、有意な差は認められなかった。育成選手が若いのは、その性質から当前とも言えるだろう。しかし、これを球団別に見ると、特徴とも言えるものが出てくる。身長に関して、広島東洋、阪神、中日の3球団は2~4cmほど育成選手の方が身長が高く、横浜DeNAに至っては5.3cm高い。体重に目を移すと、福岡ソフトバンク、東京ヤクルト、東北楽天、広島東洋において、支配下選手の方が2~4kgほど重くなっている。

 年齢を重ねた支配下選手の方が体格的に恵まれていることが多いため、これは自然なことと言えるかもしれない。しかし身長は体重と比べて、プロ入り後に伸びることはあまりないと考えられるため、球団の獲得方針が現れているのかもしれない。つまり広島東洋、阪神、埼玉西武、そして横浜DeNAは特に、育成で身長の高い、所謂素材型の大型選手を獲得する傾向にあると言える。昨季、自己最速の161キロを計測した国吉佑樹も、2009年の育成ドラフト1位で指名された大型右腕であり、代表例とも言える。

 続いて、育成選手の人数を見ていくと、福岡ソフトバンク、巨人は20名以上とずば抜けて多い。三軍制を敷き、育成選手にもしっかり実戦の場を与えるための体制が整っている。次いで多いのが、オリックス、楽天で約15人。昨秋ドラフトで楽天は4人、オリックスは大量8人を育成で指名しており、今後の育成体制の変化を予感させる。残りの8球団はいずれも10人未満だ。

30歳を超えて現役の捕手は選手寿命が長くなる傾向

 今年4月、NPBは「2019年戦力外/現役引退選手の進路調査結果」を発表し、その中で該当選手127人の平均年齢28.2歳、平均在籍年数8.2年としていた。今季のプロ野球選手の平均年齢は26.2歳となっているため、一概には言えないが、現在在籍している選手たちも2年後のオフにはこの年齢に達する選手が多くなるということだ。

 プロスポーツ選手の中では比較的選手寿命が長いと言われるプロ野球選手だが、その中でも30歳を超えたベテランたちを見ていこう。今年の4月1日時点で30歳以上の選手は207人、全体の22.3%だ。これが35歳以上になると57名で、6.1%へと減少する。

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 ポジションごとの割合では、年齢が上がっても大きな変化は見られないが、30歳以上から35歳以上になると人数は1/4ほどになるのに対して、捕手の減少幅は1/2ほどになっている。30歳以上で捕手として現役を続けていると、その後も長く現役を続けられる傾向にあるとも言えそうだ。事実、石原慶幸細川亨などのようにレギュラー格でなくとも、チームを支える捕手として存在感を発揮している選手が多い。

 今回の分析では、プロ野球選手の身長、体重、年齢を読み解くことでドラフト戦略や選手寿命などの、非常に興味深い傾向が浮かび上がってくることがわかった。より深く踏み込むことで、また違った傾向が見えてくるかもしれない。

(取材・文=林 龍也

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この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

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