宮城大弥(興南)の例から見ても分かる500球以内ルールが今までと変わらない理由
宮城大弥(興南)
今、話題になっている「1週間500球以内」問題。著名人のコメントにより、さらにこの問題は熱くなっている。
もう一度、このルール。甲子園だけではなく、地方大会の例を見て考えていきたい。地方大会は甲子園に比べて、ずっと日程がタイト。そうなると、短い間隔で投げることになるので、そのデッドラインに達しやすい。
今回は宮城大弥(興南-オリックス)の2019年の九州大会の例を考えてみたい。まず宮城が九州大会4試合で全試合に登板。
4月21日(日)対神村学園戦 9回144球
中0日
4月22日(月)対筑陽学園戦 5回56球
中2日
4月25日(木)対大分戦 4回43球
中0日
4月26日(金)対西日本短大附戦 9回130球
登板4試合の合計球数は373球。こう並べてみると、結構投げているように見えるが、500球ルールに基づくと、規定に収まっているのである。
ただ6日間で4試合を投げているのである。全く意味合いが変わってくる。
著名人のコメントを抜粋すると、「500球以内」にすると、先発完投する投手が出なくなるというコメントがあったが、宮城の例を見ると完投はできる。球数制限を以前から推し進めてきた著名人から批判の声が上がっているが、こうして球数、日程を可視化すると、納得できる方も多いのではないだろうか。
春の地方大会はこうしてまとめて開催するケースが非常に多い。この大会、甲子園に直結した大会ではないので、広い視野をもって、投手育成ができる機会でもある。ルール上、宮城のような運用は確かにできる。ただ、これから選手育成のために、投手起用の在り方が問われているのではないだろうか。
(記事=河嶋 宗一)
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