4年ぶり優勝を狙う花咲徳栄主将の夢は「救急救命士」、夢のきっかけになった兄からの言葉
佐藤 綾斗(花咲徳栄)
埼玉県高校野球の強豪・花咲徳栄は今夏、4年ぶりの甲子園出場を狙う。15年から22年まで8年連続で育成を含めた高卒プロを輩出している名門校で、高卒プロ志望以外の選手でも、野球を継続する選手が多く、大学球界で活躍する選手も多い。
その流れとは逆に、今年の3年生には、プレーヤーとしては高校で終え、将来の夢を語る選手がいる。それが主将の佐藤 綾斗外野手(3年)だ。
現在は三塁コーチャーとしてチームを支えているが、小学校時代はベイスターズジュニアに所属、中学時代は東京神宮リトルシニアで主に遊撃手として活躍していた。しかし、花咲徳栄に入学すると、先輩や同期の遊撃手のレベルの高さに驚き、外野手でプレーすることになり、今年の3月に主将に就任した。
佐藤の夢は「救急救命士」だという。
「自分の兄が警察官で、その影響で、人を助ける立ち位置になりたいと思ったからです」
この夢は2年生の時に決断した。大学で野球を続けるか、迷った時、兄の言葉が佐藤の胸に大きく響いた。
「高校2年生ぐらいのときに兄と話す機会があって、兄は『人を助ける仕事』はいいぞ!と言ったのが一番のきっかけです。その時は(進路で)凄く悩んで、そういう言葉をいただいて、いいなと」
花咲徳栄は2年冬ぐらいから面談で進路を話し合う。佐藤は自分の夢を岩井監督に語った。「その資格を得るために大学に行きたい」と。
「岩井先生(監督)からは勉強は大丈夫なのか?といわれて。がんばります。と答えて、『頑張れよ』と言葉をいただきました」
花咲徳栄には、将来に向けいろんな夢を持った選手がいる。それでも、激戦区である埼玉を勝ち抜いて、甲子園に行く、そして日本一を目指すという共通認識は忘れない。
佐藤は三塁コーチャーとして、「いかに得点を増やせるか、そして走塁面で最善の判断を下せるか」にこだわって、選手たちをサポートする。
この夏、花咲徳栄が楽しみだ。