悪い流れはオレが断ち切る!誰が見ても警戒する投手を目指す寺澤神(鳥栖)
鳥栖の勝利の方程式といえば、左の髙島陸人(たかしま・りくと)が先発をし、最後は寺澤神(てらざわ・じん)が締める、この継投だろう。主将の中村将希(なかむら・まさき)も、「髙島(陸人)と寺澤(神)が結構調子がいいと思うので」「守ってリズムを作る、守備のチーム」と語るように、タイプの違う二投手の継投が勝利の鍵を握っていると言えるだろう。今回は、堀江幸弘監督も信頼を寄せる、右腕・寺澤神に迫りたい。
誰からも一目置かれる投手へ!
インタビューに答える寺澤神(鳥栖)
「どのチームからもこのピッチャー打てないかもしれないと思わせるような、警戒されるようなピッチャーになって、スタンドで見てる人も、「このピッチャーすごいな」と思ってもらえるようなピッチャーになりたいです」
これが、寺澤の現在のゴールだ。
では、寺澤の現在地はどうであろうか?寺澤の武器はキレの良いストレートとスライダーだ。それらの球で丁寧にコースをついていく。伸びのあるストレートは最速134キロを計測する、夏にはもう一弾ギアを上げられるだろう。そんな投手が後ろに控えているのである。チームとしては心強い。
とは言え、途中からマウンドに上がるということは、ピンチでの登板も多いだろう。寺澤はどのように考えているのだろうか?
「髙島(陸人)の後から投げることが多いですけど、後から投げるときはチームの雰囲気が悪かったりする場面もあります。自分のピッチングで流れを感じにこっちが持ってくるようなピッチングをしたいと思ってます 」
寺澤はこの状況をプラスに捉えて、その中でチームの流れをどう変えるかを考えていた。このように言えるのは、1年生からベンチに入り、十分な投手としての経験があるからだろう。寺澤のような経験豊富な選手が後ろに控えているのは心強い。
夏は目前に迫っている。寺澤がマウンドでどのような投球をするのか注目したい。
寺澤神(鳥栖)
編集後記
寺澤神の第一印象は、甘いマスクで整った顔立ちである、主将でもある熱い漢・中村将希とクールな寺澤のコンビネーションが取材後も頭から離れなかった。取材時も淡々と言葉を選び話す寺澤は、高校卒業後も野球を続けていきたいと話してくれた。理想の投手は、大瀬良大地投手(広島)とのこと。「コントロールとコースをついて行って打たして取るのピッチングがすごいと思います」と話してくれた。これからどのような成長曲線を描いていくのか? 今後も見守っていきたい。
文=田中 実