野球部訪問 第49回 開成高等学校(東京)

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第49回 開成高等学校(東京)2011年12月14日

【目次】
週1日2時間だけの全体練習で生まれる強さ
正面衝突理論の徹底
体を大きくすることで勝負できる
1%でも勝つ可能性のあることをやってやる

週1日2時間だけの全体練習で生まれる強さ

開成高等学校 青木秀憲監督

"開成高等学校 青木秀憲監督"

 開成野球部の改革を始めたのは、99年に監督に就任した青木秀憲である。青木監督もまた東大出身であり、大学時代は硬式野球部に所属していた。

「負けず嫌いなんですよね、僕自身が。だけど、大学時代、(東京六大学リーグで)中々勝てなかった。東大では、(守備・打撃・走塁も)どの練習も毎日しましたが、どのレベルも他のチームに通用しなかった。その中でも、互角に戦えると感じたのはバッティングでした」

 青木監督は、東大の大学院で4年間スポーツ科学を学ぶと、卒業後は開成中高等学校の教員に。さらに、赴任1年目から硬式野球部の監督を任された。

負けず嫌いの青木監督の目標は、もちろん「甲子園」。東東京の強豪私学に勝つことである。

 しかし、野球部の練習環境は決して恵まれているとは言い難かった。他の部活動と校庭を共有しているため、全体練習は週1回の2時間のみ。そのため、現在12月から、来年7月の東東京大会開幕日までの全体練習日を数えると、残り40回ほどしかないのだ。もちろん、雨が降れば練習は中止となり、その回数は減っていく。開成野球部にとっては、週1回の全体練習に懸ける個々の思いと、その他の曜日の過ごし方が、選手としての成長のカギを握っている。 

開成高校野球部 藤田智也

"自主練習の日にブルペンで投げ込む藤田智也選手"

「うちは、練習を毎日繰り返してるわけではないので、グラウンドに来て受け身の姿勢で、なんとなく練習メニューをこなしていっても永久にうまくならないで3年間が終わってしまう。

 そうではなくて、1週間に1回しか練習がないわけですから、『よし!今日の練習ではバッティングで、こんなことにこだわってやってみようかな』っていうのを考える。そのためには、練習の中で、『あ、こうやったら上手くいくんじゃないかな?』っていう仮説を立てて練習に臨むんです。

 もし、それでうまくなれば仮説が正しかったので、もっと練習すればいいし、いや違うなと思えば、仮説の立て方に問題があったので、今度は違うポイントを意識して、次の全体練習に向けて(自主練習で)準備する。
 それくらい『普段の全体練習での思い入れが、他のチームとは違うんだよ』っていうプライドを持ってほしい。うちはこの日しかない。今日、雨が降ったら2週間練習できないんだ。そういう危機感をもってほしいんです」

 そんな青木監督の考えが浸透した代は、結果も自然とついてきた。05年夏の東東京大会5回戦進出(ベスト16)、2年後の4回戦まで進出した代もそうだった。

 週1回の全体練習という厳しい環境でありながらも、他の曜日を野球の練習ばかりに費やすことも出来ない。勉強にも、それ以上に打ち込まないといけないからだ。部員の多くは塾にも通っている。そんな中で、どう練習メニューを組めば、どんな伝え方をすれば、勝てるチームになるのだろうか?

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  • ■ <書籍>主な寄稿・出版物
  • 野球ノートに書いた甲子園 シリーズ全5巻(2013年~2017年/KKベストセラーズ)
    ・スポーツ感動物語 アスリートの原点「遅咲きのヒーロー」(2016年/小学館)
    ・甲子園だけが高校野球ではない 1&2巻(2010年~/監修・岩崎夏海/廣済堂あかつき出版社)
    ・ただ栄冠のためでなく(2011年/共著/日刊スポーツ出版社)
    ・「高校野球は空の色」「高校野球が教えてくれたこと」など大学時代に3冊出版
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