試合レポート

【春季埼玉県大会】逸材揃いの昌平、埼玉栄との激戦を制しベスト4!四季連続の関東大会まであと1勝!

2024.05.03


山根 大翔(昌平)

【トーナメント表】春季埼玉県大会 結果一覧

昨秋ベスト4の昌平埼玉栄との激闘を制し、ベスト4入りを果たした。

1回表、埼玉栄は内野ゴロの間に1点を先制。2回裏、昌平は犠飛で同点に追いつく。1対1のまま試合は後半戦へ。長打力のある打者が揃う昌平埼玉栄の技巧派右腕・和泉 晴也投手(2年)、強肩捕手・倉田 陽人(3年)のバッテリーに苦しめられる。出塁をしても倉田の強肩に阻まれ、チャンスでも和泉がキレのある変化球を投じて抑えられる。昌平の岩崎 優一監督は「厄介な攻めをさせられました」と語るほどだった。

そして8回表、捕手の倉田に勝ち越しの適時打を打たれ、嫌な展開。だが、昌平は冷静だった。1番白坂 寛捕手(3年)の右前安打、4番櫻井 ユウヤ内野手(2年)が右前適時打、5番渡辺 暁斗内野手(3年)の犠飛で4対2とした。ただ、埼玉栄も粘り、無死満塁のチャンスから第1打席に二塁打を放っている1番長岡 琉太内野手(2年)の適時打で同点に追いつく。昌平はそれを凌いで、勝ち越しは許さない。延長10回裏に2番大槻 真広外野手(3年)の右前適時打で激戦を制して、サヨナラ勝ちを収めた。

岩崎監督は「選手たちは最後まで冷静だった。こういう接戦になるほど相手はどういう攻めをして、どういう打撃をすればいいのかを考えることが大事。気持ちの強さとかいわれるんですけど、技術だよと伝えています」

一時は勝ち越し打を放った櫻井は「あまりボールが速くない投手でしたので、外角寄りに入ると思っていた」としぶとくライトへ運んだ。櫻井は2年生ながら高校通算22本塁打のスラッガー。新基準バットになっても、「慣れてきたら飛距離自体は変わらない」とフルスイングで鋭い打球を見せている。来年のドラフト候補になるスラッガーだろう。

3年生のポテンシャルも高かった。鈴木 耀斗投手(3年)は右オーバーから鋭い腕の振りから常時135キロ〜140キロを計測。ストレートの勢いもあり、120キロ前半のスライダーのキレもよい本格派だ。岩崎監督は「冬に大きく伸びてきた選手。夏まで投手陣の一角になってほしい」と期待する。大学でかなり伸びそうな逸材だった。

エース左腕・石井 晴翔投手(3年)も130キロ前半の速球、120キロ近いスライダーで勝負。9回のピンチを断ち切った佐藤 立羽投手(3年)は右スリークォーターから常時135キロ〜141キロを計測。延長10回からセンターを守っていた山根 大翔投手(3年)が自慢の速球で2三振を記録した。高校通算21本塁打のスラッガーの山根だが、春先から140キロ中盤を投げるようになり、ついに146キロに到達したという。投打ともに凄いポテンシャルを持った逸材だ。

接戦にも強く、投打ともに逸材揃う昌平。22年秋から続く四季連続の関東大会出場まであと1勝となった。

【トーナメント表】春季埼玉県大会 結果一覧

 

この記事の執筆者: 河嶋 宗一

関連記事

応援メッセージを投稿

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

RANKING

人気記事

2024.05.16

【宮城】仙台一、東北、柴田、東陵がコールド発進<春季県大会>

2024.05.16

涙の甲子園デビューから大きくレベルアップ!前橋商の192センチの剛腕・清水大暉は、高速スプリットで群馬県大会19回1失点、22奪三振の快投!<高校野球ドットコム注目選手ファイル・ コム注>

2024.05.16

【2024年春季地区大会最新状況】全道大会は出場校決定、関東と東海は18日に開幕

2024.05.16

U-18代表候補・西尾海純(長崎日大)、甲子園で活躍する幼馴染にむき出しのライバル心「髙尾響には負けたくない」

2024.05.16

【秋田】夏のシードをかけた3回戦がスタート、16日は大館鳳鳴などが挑む<春季大会>

2024.05.15

【全国各地区春季大会組み合わせ一覧】新戦力が台頭するチームはどこだ!? 新基準バットの及ぼす影響は?

2024.05.13

【24年夏全国地方大会シード校一覧】現在29地区が決定、愛媛の第1シードは松山商

2024.05.14

大阪体育大の新入生に兵庫大会8強の145キロ右腕、金光大阪の1番センター、近大附の4番打者など関西地区の主力が入部!

2024.05.16

【宮城】仙台一、東北、柴田、東陵がコールド発進<春季県大会>

2024.05.13

大阪桐蔭、山梨学院、慶應義塾…強豪校・名門校の昨年度卒業生はどの進路を歩んだのか?【卒業生進路一覧】

2024.04.21

【愛知】愛工大名電が東邦に敗れ、夏ノーシードに!シード校が決定<春季大会>

2024.04.29

【福島】東日本国際大昌平、磐城、会津北嶺、会津学鳳が県大会切符<春季県大会支部予選>

2024.04.22

【春季愛知県大会】中部大春日丘がビッグイニングで流れを引き寄せ、豊橋中央を退ける

2024.04.22

【鳥取】昨年秋と同じく、米子松蔭と鳥取城北が決勝へ<春季県大会>

2024.04.23

【大学野球部24年度新入生一覧】甲子園のスター、ドラフト候補、プロを選ばなかった高校日本代表はどの大学に入った?