試合レポート

帝京vs開成

2023.07.19


3回本塁打を放った帝京・西崎桔平
SCORE
大東大一
都立葛飾総合・都立南葛飾
1234567891011121314
0 3 2 4 1 0 0 - - - - - - -
1 0 0 0 0 0 0 - - - - - - -
TOTAL
10
1

西崎の個人毎回安打、準サイクルの活躍で帝京が5回コールドの圧勝!開成は意地の3点

<第105回全国高校野球選手権東東京大会:帝京13ー3開成(5回コールド)>◇19日◇4回戦◇神宮

 初戦で郁文館に苦戦した帝京であるが、この試合は初回から猛打が爆発した。1回1番・野村 亮太外野手(3年)が四球で出塁すると3番・西崎 桔平内野手(2年)の左前安打に盗塁などで二、三塁とし、4番・稲垣 渉外野手(3年)の中前安打でまず2点を先制。その後も5番・奈良 飛雄馬内野手(2年)、7番・杉山 勇心内野手(3年)の安打などで2点を追加する。

 2回も帝京は、西崎、稲垣、奈良の連続安打に敵失や四球も絡み、3点を追加する。

 超難関校の開成であるが、青木秀憲監督は相手が帝京であっても、「やることは同じです」と語る。青木監督が言う同じこととは、投手はきわどいところを狙わずに、しっかり投げる、打者はしっかり強く振る、誰みてもアウトというところは、しっかりアウトにするということだ。その言葉通り、開成打線の振りは強く、力強かった。3回開成は、先発の福井 克徳投手(2年)に代わって、2回途中から登板している吉川 剛史外野手(3年)が7番打者として中前安打で出塁し、内野ゴロ2つで三塁に進み、1番・国分 星翔外野手(3年)の内野安打で生還して1点を返す。さらに右翼手の失策に、3番・伊藤 千紘内野手(3年)の二塁打でさらに2点を返す。

 「あの回は、高めに浮いたところをうまく打たれてしまいました」と帝京の先発・小野 寛人投手(2年)は振り返った。小野は3回に3点を失ったものの、春季都大会の決勝で完投しただけあり、マウンドでの立ち姿も、堂々としてきた。

 それに点を取られても取り返すのが、帝京打線。その中で特に目立った活躍をしていたのが、3番の西崎だ。1回、2回と安打を打っている西崎は、3回は1死一塁から左翼席にたたき込む2ランを放った。好打者として注目されている2年生の西崎だが、高校通算本塁打は3本目と意外と少ない。「つなぐことを意識しています」と西崎は言う。

 帝京は4回は生井澤 海里捕手(3年)の二塁打などで3点を挙げ、この試合、毎回安打となる3打数3安打の西崎に打順が回り、西崎は中越えの三塁打。この三塁打で1人生還し、13対3。10点差がついた。5回帝京は3年生の横手投げの坂下 楓真投手(3年)をマウンドに送り、坂下は内野安打と四球の走者は出したものの、得点を与えず。5回コールドが成立した。

 この試合で西崎は、毎回安打となる4打数4安打。それに本塁打と三塁打が加わり、二塁打があればサイクル安打という活躍であった。西崎は昨年の秋や春に比べ、一段と大きく、がっちりした印象を受ける。ウエートトレーニングや走り込みをしっかりしている上に、ごはんを朝500グラム、夜850グラムと食べて体づくりに取り組み、その成果が打球に表れている。

 春季都大会優勝で第1シードの帝京であるが、金田優哉監督は、「特に変わることはありません」と言う。それでも第1シードは試合を第1試合に組まれる。朝から暑いとはいえ、昼間に比べれば気温が低い時間帯に試合ができるのはメリットではある。5回戦は大野 巧成投手(3年)を擁する岩倉と対戦する。ここから一戦一戦、厳しい戦いが続く。

この記事の執筆者: 田中 裕毅

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