激戦区多数!本戦へ進むのは?【春季都大会・1次予選展望】
東京の高校野球シーズンの始まりを告げる、春季都大会の1次予選の組み合わせが決まった。秋季都大会に出場した64チームは既に本大会出場が決まっているとはいえ、秋の1次予選では強豪同士の対戦や、波乱もあったため、日大鶴ヶ丘、東海大高輪台、明大中野八王子など、実績のある強豪校が、1次予選から登場する。
第2ブロックB、第22ブロックAが激戦区
好投手・折笠利矩(日大二)
甲子園出場経験もある伝統校の日大二、日大豊山が、同じブロックに入った第2ブロックBは、厳しいブロックだ。日大二は折笠利矩、日大豊山は横手投げの瀬崎絢という両投手の出来がカギとなりそうだ。
聖パウロ学園、城西大城西、駿台学園の入った、第22ブロックAも激戦区だ。3校とも秋は代表決定戦で、後半に失点して敗れているだけに、ひと冬越して、どう成長したか注目される。
都立城東などの監督を務めた平岩了が監督に就任してから力をつけている都立豊多摩と上野学園が初戦で対戦する第4ブロックB、実績のある日本学園と東京、さらには、秋は日大三を破った目白研心と接戦を演じた都立大泉が同じブロックに入った第11ブロックB、立教池袋と朋優学院が同じブロックに入った第19ブロックBなども注目される。
第18ブロックAでは、堀越がリードしていることは間違いないが、都立日比谷や多摩大聖ヶ丘も油断ができない相手だ。
本大会に弾みをつけたい工学院大附・渡邊、都日野・山崎
注目の渡邊充(工学院大附) 山崎主真(都立日野)
選手で注目されるのが、まず渡邊充(工学院大附)だ。身長187センチ、90キロの堂々たる体格から力のある球を投げ、去年の春から評判になっていた。1次予選では、工学院大附が頭一つリードしているが、大成、都立武蔵野北の勝者も、簡単な相手ではない。さらに本大会に進んだ場合、1回戦で佼成学園、勝てば2回戦で早稲田実と、強豪との対戦が続くため、1次予選で弾みをつけたところだ。
それは、都立日野も同じこと。内野手の山崎主真は、都立校でただ1人、年末に行われた東京代表のキューバ遠征のメンバーに選ばれた。潜在能力の高さは、東京代表の前田三夫監督(帝京)らからも、高く評価された。
都立日野は1次予選での優位は動かないが、本大会に進めば、1回戦は八王子、勝てば次は東海大菅生という厳しい戦いになる。1次予選で公式戦を経験したことが、本大会でもプラスになる戦いが求められる。
秋は1次予選の代表決定戦で、帝京を土俵際まで追い詰めながらサヨナラ負けした都立昭和も、今回は一歩リードした存在であるが、本大会では初戦の立志舎戦に勝てば、次は秋優勝の国士舘だけに、1次予選を戦いながら、戦力を引き上げていきたいところだ。
都立大島の荒田、成城学園のマイロ 注目の初戦
球威が持ち味の荒田奏斗(都立大島)
都立大島(派遣・都立文京)の荒田奏斗は、キューバ遠征のメンバーには選ばれなかったものの、代表選考会で球威のある球を投げ、前田監督らを唸らせた。初戦の相手は、専大付だ。昨夏の西東京大会では5回戦まで進んだ伝統校だけに、真価が問われる対戦になる。
ひと冬越してどう成長したか気になるのが、成城学園の投手・マイロ亘だ。父親はカナダ人。身長193センチという長身で、両投げ、両打ちという異色の選手だ。成城学園の初戦の相手は強豪・都立広尾だ。
さらに勝てば、次はやはり都立の強豪である紅葉川と、昨夏の東東京大会で関東一に善戦した攻玉社の勝者との対戦になる。このブロックも、粒ぞろいの激戦区だ。
昨夏、日大三を苦しめた都立杉並は、初戦に都立大田桜台・文教大付の連合チームと対戦する。連合チームとはいえ、大田桜台の雨宮空は、実績のある好投手だけに、好ゲームになる可能性がある。
秋の1次予選では日本ウェルネス戦で好投した都立東村山西の内野大輝も、身長185センチと大型の投手だけに、成長が楽しみな選手だ。
日大鶴ヶ丘、東海大高輪台、明大中野八王子、八王子実践などは、各ブロックで頭一つ抜けた存在ではあるが、久々の公式戦であるうえに、思わぬ伏兵が現れるかもしれないので、気は抜けない。
(文=大島 裕史)
■一次予選の組み合わせとメッセージは以下より
第1ブロック
第2ブロック
第3ブロック