高校野球の応援マナーにもフェアプレイの精神
今回は高校野球の応援について考えてみたいと思います。
大会を取材していて、≪この応援はどうなのかな≫と思うことがあります。今春もありました。
例えば、
「Wecome Welcome Welcome Welcome Welcomeーー ○○高校ー かかってこいやー」
○○高校の部分は相手校です。
これはサッカーの応援歌が基になっているようですが、「かかってこいや」あるいは「かかってこいよ」は自校の選手の応援ではありませんよね。校名を出して「かかってこいや」や「かかってこいよ」というのは明らかに相手を指しているように感じます。
昔は相手校に対して「○○倒せーオー」や「やっつけろ○○」と言った応援がありました。今でも大学や社会人、プロなどではありますが、高校は禁止になりました。ご存知の方も多いと思います。
例えば神奈川県高等学校野球連盟のHPの応援規定には、≪応援は自校のチームおよび選手の激励・賞賛とし、相手校に対しては健闘を称えるものに限る≫と書かれています。相手校の名を出して、「かかってこいや」と言うのは相手校の健闘を称えるものと言えるでしょうか?
他にも相手守備選手が失策をした時や、四死球を与えた時に、応援団から「ラッキー、ラッキー、ラッキー」など声が聞かれる時があります。これも相手の健闘を称えるものと言えるでしょうか?
大会を取材していると、これはブラスバンドがいないケース、つまり野球部を中心とする応援団がアカペラで応援している時の方が多いように感じます。
応援に関するマナーについては年度や大会毎に主催する都道府県高等学校野球連盟や、甲子園では日本高等学校野球連盟などから指導があると思います。
特に近年はサッカーから主流になっている応援が多い印象ですが、それが全て野球に取り入れていいものなのでしょうか。中にはOKというのもたくさんあると思いますが、あらためて、自校の応援がマナー的にどうなのかを見つめ直してみてください。
フェアプレイはグラウンド外、つまりスタンドの応援も同じです。対戦する両校が健闘をたたえ合うような、見ていて気持ちの良い応援を目指してみてください!
(文:松倉雄太)