芦谷 響選手

芦谷 響

球歴:

ポジション:投手

学年:卒業

寸評

1年春からベンチ入りし、1年夏は9番ショートとして甲子園出場した大型内野手。その後は伸び悩みせず緩やかながら成長を見せている。国士舘戦(2010年10月02日)のプレーを見て、早くもドラフト候補として推したい逸材だ。 勝負強い打撃、超高校級の守備力、相手投手の隙を盗んで鮮やかに盗塁を決める走塁センス。この秋は関東中心に見てきたが、プロを意識できるショートは彼だけだ。来年の関東を代表するショート・松本剛を取り上げたい。 (打撃) スタンスはオープンスタンス。グリップを高めに置き、ヘッドを回しながらリズムを取り、膝を曲げて構えている。腰も据わっており、両目で投手を見据えることができたバランスの良い構えをしている。投手がリリースする直前に始動を仕掛けており、極端に遅い仕掛けだ。ボールをぎりぎりまでに引きつけて打つ選手だ。足を回しこむように上げて真っすぐ踏み出していく。トップの動作を見るとしっかりと引いており、形成はできている。ただ遅すぎる仕掛けで速い投手には対応できるのだろうか。しかしぎりぎりまで引きつけるようになったことで体が突っ込まず、ヘッドを残して打つことができており、国士舘戦では外角低めのストレートを上からかぶせるように打ち返し、右中間へはじき返した。彼は打球を巻き込む傾向があり、右中間へ飛ばせるようになったのは成長の証。二打席目も低めのストレートを鋭いショートライナーを打ち返した。筆者は1年夏から見てきているが、一番内容が良かった。本塁打は少ないタイプ。それに拘って今の打撃スタイルを崩しては貰いたくないが、今の打撃に本塁打を打てるパワーが身に付けばさらに評価は高まるだろう。 (守備) 守備の安定感は相変わらず抜群。捕球→ステップ→送球の動作に無駄がない。選抜では送球面に不安を残したものの、国士舘戦を見た限りでは送球も安定してきた。そして三遊間寄りのゴロを逆シングルで捕球し、ランニングスローでアウトにしたプレーには思わず拍手を送りたくなった。ランニングスローで強い返球するにはそう簡単にできるものではない。足腰の強さ、背筋の強さ、肩の強さが求められる。このプレーが成り立つのは基本的な動作を確実にこなせる確固たる技術と身体能力の高さが備わって成り立つプレーだ。守備の意識がかなり高く、基本は大事にしながら、プロで活躍するために応用に入っている段階だ。 (走塁) この試合では盗塁はなかったものの、彼は出塁すれば、常に次の塁を盗もうという意識が徹底しており、盗塁も多い。今年の選抜・三重戦では強肩捕手の加藤から二盗を決めた。投手の癖を盗み、抜群のスタートを切って盗塁を成功させた。また三盗を難なく出来る選手で、ワンヒットとひとつの四球でチャンスを作ることができる選手だ。
更新日時:2010.11.05

将来の可能性

1年夏から高いパフォーマンスを発揮してきた選手だが、緩やかながら成長している選手で、伸び悩みせず常に高いパフォーマンスをしてきた彼には高い評価が出来る。高いパフォーマンスは高い意識+確固たる技術で成り立っているということ。不調に陥ってもこの選手は自ら打開できる強さはあるだろう。 関東圏の選手しか見ていないが、内野手の中で唯一高卒プロを狙える選手だと評価したい。 高卒プロ入りを確かなものにするためには打撃面でどこまでアピールできるかにかかっている。今年よりワンランクアップした姿を見せれば、守備力の高さ・走塁の巧さ十分にアピールしているだけに指名の可能性もぐっと近づいていくはずだろう。 選抜出場を逃した帝京高校。彼らの代が甲子園に出場できるチャンスはあと1回しかない。 エースの伊藤拓郎と松本が中心となって、チームが成熟すれば、甲子園が見えてくるだろう。
更新日時:2010.11.05

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