山下 舜平大選手 (福岡大大濠)
寸評
コラムから抜粋 ストレート 最速151キロ 常時145キロ~150キロ まず驚かされたのがストレートのほとんどが145キロ以上だったことだ。それも、延長11回になっても、140キロ後半の速球を投げ込んでおり、明らかにバテバテだなと思う瞬間はなかった。 去年の春の九州大会が130キロ後半だったことを考えると、7キロ~10キロは速くなっている。好投手から剛腕タイプへ変貌した瞬間だ。 序盤はストレートのばらつきが目立ち、高めに浮いたり、横に外れるなど不安定さがあったが、しり上がりにリリースポイントをつかんだのか。140キロ後半の速球が次々と決まった。 ストレートの平均球速に関しては、高橋宏斗(中京大中京)に匹敵するのではないだろうか。高橋のように150キロ連発というわけではないが、延長戦になっても140キロ後半を維持しており、最速151キロを計測したのは延長11回と、スタミナには恐れ入るものがある。 ストレートの威力、平均球速に関しては今年だけではなく、過去5年の高卒指名投手の中でも上位に入る。 山下の変化球のほとんどが120キロ後半のパワーカーブ。指のかかり具合でスライダー変化したり、縦に大きく鋭く落ちる変化球で、次々と空振りを奪い、また打者は真上から落ちる軌道にあっけをとられて、見逃すというパターンがほとんどだ。 昨年は110キロ前後で、見せ球程度のボールだったが、現在は決め球として変わっている。主な球種はこのカーブだが、より勝てる投手になりたいという意識の変化が緩いカーブから球速が増したパワーカーブに現れている。 まだ球種も少なく、ピッチングにメリハリをつけたり、細かい駆け引きをするタイプではない。なぜそうなのかというと、2年生の時に福岡大大濠の首脳陣に話を聞いた時、山下については大きく育てるということを話しており、変化球もこのカーブを限定的に鍛えることを語っていたのだ。 高校生は人によって大学・社会人の投手が実践するような高スキルを備えられる器用さを持った投手もいれば、まだ細かいことをやらず、あえて投手としての器を大きくして、球速アップ、肉体面の強化に専念させるやり方もある。山下の場合は後者で、投球術よりも心身の成長にともなって、投手としてのポテンシャルを伸ばした様子が分かる。体つきは1年前と比べて見違えるように変わり、投球の様子も細かい駆け引きはしないが、1年前の投球と比べると明らかに進化している様子が分かる。 プロ志望届を提出すれば、上位で指名したい投手だろう。なんといっても、189センチ93キロの恵まれた体格を大きく使える投球フォーム、平均球速の高さ、大きく伸びる可能性を持った逸材だ。
更新日時:2020.08.08
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更新日時:2020.08.08
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