佐々木 朗希選手 (大船渡)

佐々木 朗希

球歴:大船渡

都道府県:岩手

ポジション:投手

投打:右 / 右

身長:190.0 cm

体重:86.0 kg

学年:卒業

短評

コラムより抜粋(2019年4月9日)  文句なしで世界レベルの逸材。比較対象が日本の高校生ではなく、アメリカ代表の剛速球右腕になる。2017年のアメリカ代表は150キロ越えの右腕が4人いたが、彼らと比較しても素材は間違いなく上だ。彼がいるだけで、日本人投手は凄いと優越感に浸ることができる。  スカウトのガンでは、最遅が150キロ中盤で、最速160キロを超えていた。大絶賛のコメントが相次いでいるが、それが大げさではないぐらいすごかった。よく漫画では剛速球を「ごおおお」「ぎゅるるる」など擬音を使って表現するが、それが現実に起きているように感じられた。190センチで、縦回転を使った投球フォームをしているので、ボールには角度が感じられ、昨年よりも空振りが奪えるストレートとなった。さらには130キロを超えるフォーク、スライダーの切れ味の鋭さは初見ではなかなか捕球できないものだ。スライダーは左打者に対してはフロントドア(アウトコースのボールゾーンからストライク)を使って見逃し三振に取り、スプリットで空振りを奪うなど、6奪三振のうち5つが変化球だった。  変化球のレベルも高いので、少ない球数で抑えることができる。走者一塁の場面でも淡々と自分のピッチングができていた。本人は緊張していたというが、佐々木の投球を目の当たりにしていた参加選手、報道陣、スカウト、ファンの方は「いやいや落ち着いていて堂々としていたじゃん」と思ったはずだ。  佐々木の良さは自分のルーティンを持っているということ。まずキャッチボール。剛速球投手にしてはかなり距離が短い。ほかの選手たちが塁間以上で投げているのに対し、佐々木は塁間の距離で投げていたのだ。速球投手のキャッチボールを見たことがある人ならばわかると思うが、距離は長い。60メートルぐらいの距離からライナー性で投げ込み、「やっぱり投手のキャッチボールってすごいんだな」と感じるが、佐々木は一定の距離だ。本人は「いつもやっていること」という。  その距離で左足を胸の高さまで上げていき、縦回転のフォームから淡々と投げ込み、自分の動きを確認しているのだ。また、肩甲骨が非常に柔らかく、合宿2日目に及川 雅貴とキャッチボールをする前に肩甲骨のマッサージをやっていたが、かなりの柔らかそうだった。また3日目はマエケン体操をして、肩甲骨を動かすストレッチは必ずやっている。そういうところから故障を防ごうとする意識が見える。  佐々木の柔軟性の高さは写真を見ていただければ、お分かりいただけると思う。さらに足を勢いよく踏み込んで、柔軟な上半身によって尋常ではない回転力のあるフォームとなっている。普段の口ぶりはシャイだが、自分のやるべきことをしっかりやっていて感心させられた。  ただ今年に入ってから登板時のイニング数はまだ少ない。長いイニングを投げてみて、今のような効率的な投球ができるか。金属バットを持つ打者に対して、圧倒できるか。  佐々木の場合、並外れた速球を投げる分、負担も比例して上がってくる。165キロ、170キロという声もあるが、そこにこだわって出力を高めすぎると、故障のリスクはさらに高くなる。  佐々木は7割~8割の出力で、完成度の高いピッチングをするべきではないか。佐々木に求めたいのは165キロではなく、程よい出力で、少ない球数で、抑える投球術を身に付けること。ファン、メディアからすれば物足りなさは感じるだろう。しかしそれが佐々木の才能を守り、強豪校相手にも抑えられる投手になるために大事なスキルといえる。  世界最速を狙うのは、しっかりと負荷を耐えうる肉体になってからでも遅くはない。
更新日時:2019.04.09

寸評

ネット裏ではとんでもない球速の数字が飛び出した。 「159、163、156、161!」 すべて大船渡佐々木朗希がたたき出した数字である。高校日本代表研修合宿2日目の午後の試合で先発した佐々木。永田代表監督の方針のもと、無理をさせず、2回、20球程度という制限の中、ネット裏に集まったスカウト、メディアを驚愕させるピッチングを見せる。  初球、147キロのストレートを投げ込むと、その後はみるみると球速を高め、常時150キロ台のストレートを投げ込み、先頭打者の森 敬斗桐蔭学園)を132キロのスライダーで見逃し三振。しかもこの軌道は左打者のボールゾーンからストライクゾーンに入るフロントドアで、森は思わず面食らった表情。さらに2番内海 貴斗横浜)も132キロのスライダーで空振り三振、3番紅林 弘太郎(駿河総合)も133キロのスライダーで空振り三振と三者連続三振スタート。 そして2回裏、4番黒川史陽智辯和歌山)は132キロのスプリットで空振り三振、5番上田 希由翔(愛知産大三河)もスライダーで三振に打ち取ると、最後は6番山瀬慎之助星稜)は153キロの高めのストレートで空振り三振と、6者連続空振り三振と圧巻の投球だった。  対戦した打者や参加選手の感想は以下の通り 「ボール離れた瞬間、ストレートはミット入っていました...。あと、変化球もとんでもない切れ味でした」(3番・紅林) 「今年の世代ナンバーワンピッチャーと対戦できたのは本当によかったです」(4番・黒川) 「横から見ていて見たことがないボールを投げていました」(石川昂弥) 「僕も佐々木君のストレートは本当にすごいなと思いました」(奥川恭伸)  ネット裏で見ていたスカウトも「これはすごい」という絶賛の声がほとんど。あまりにも凄すぎるので、「今までならばよいと思う選手でも、佐々木君を見た後だと、微妙に感じてしまう。これは困りました」という声もあった。  佐々木は「緊張していて、力みがあってボールがばらついていました」と反省している様子だったが、それでも強烈な印象を与えたのは間違いなかった。  ちなみにスピードが出にくい高校野球ドットコムのスピードガンでも最速は154キロ。最遅でも148キロで、ストレート14球中、12球が150キロ以上で平均球速は脅威の150.85キロと恐るべき球速が出た。これは2017年の世界大会で優勝したアメリカ代表の投手陣をしのぐレベル。これでまだ100パーセントではないと聞く。改めて恐ろしい逸材だということが分かる。
更新日時:2019.04.07

昨年との違い

 投球フォームを見比べると、昨年よりも縦軸で投げていることが分かる。  左足の上げを見るとかなり高くなり、膝を頭の近くまで持っていく。そこから大谷翔平ばりのテークバックに入った時の形がM字となった。実はこの形、右ひじが背中側に入り、相当な負担がかかりやすいのだが、佐々木の肩甲骨の柔らかさによって実現をしている。
 去年ではだいぶ外回りしていたが、今では胸の張りを作り、体の近くで縦回転で投げるようになり、腕の角度が上がった。  それによりリリースポイントが安定し、さらに角度が高くなり、打者からすれば打ちにくいストレートへ変貌。左腕のグラブを若干下げてすぐにほどくことで、右肩から左肩の入れ替えがスムーズになり、上半身、下半身が連動し、とてつもない回転を生み出すことによって剛速球を投げることができている。  かなり進化したフォームであり、左足の上げ方を見ると、相当なエネルギーを使っていることが分かる。確かにギアの調整をしないと、故障の危険性は高い。その点、首脳陣もかなり気を使っているのが分かる。
更新日時:2019.04.07

1 Comment

  1. 匿名

    2024-03-02 at 4:17 PM

    1zqjgf'”(){}:/1zqjgf;9

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