万波 中正選手 (横浜)
短評
観戦レポートより抜粋(2016年11月26日) 最後に8回に高校通算16号本塁打となる特大2ランを放った万波 中正に触れたい。万波が変わったのは、打撃フォームとタイミングの変化だ。高校に入学して一番実感したのは打撃フォームの無駄が多かったことだという。 「ストレートに振り遅れていて、その原因は立ち遅れだったんですよね」 万波は、タイミングの取り方を改め、少しだけ始動を早くした。さらにトップに入るまで全く動きがなかった両腕の動きも、少しだけ反動を使うようになった。以前よりもタイミングが取れるようになり、多少外れてもしっかりと合わせられるようになったと実感している。今日も調子自体は良くないが、それでも抜けたスライダーを合わせて本塁打にした。2週間前に行われた市立沼津戦で2本塁打を放っており、徐々に本領を発揮しつつある。 また見直しているのは打撃だけではない。走る動きも見直している。万波の守備を見たことがある方は動き方がバタバタしていると感じた方も多いはずだ。それは万波も感じているところで、トレーナーから体幹(コア)を中心としたトレーニング指導をしてもらっている。いろいろと体の動きや走るフォームを見直しているようで、今は「入学したときよりは足が速くなっているかな」と手ごたえを感じている。 2年後は高校球界を代表するスーパースターになる可能性を持った逸材だけに、この冬のトレーニングで野球選手としてどこまで成長を見せることができるか。また意識しているのは高校通算23本塁打の野村大樹(早稲田実業)。野村とはLINEするほど仲だが、「このままではあいつが遠いところにいってしまう」と危機感を感じている様子だった。 そして投手として登板した万波。久しぶりの登板に全く入らなかったと焦った表情だったが、投手としても貢献したい思いだ。 「夏はどの試合から登場になるかはまだわかりませんが、1~3回戦の段階でエースの板川をフル回転させる事態にならないように、僕も任されたイニングはしっかりと抑えて、板川は負担を減らしたい」 投手としては最速137キロほど。合わせられやすいフォームをしているので、投手としては高校生までだと考えられる。将来性はダントツで野手。早稲田実業のスラッガー・野村大樹と比較すると、ボールを飛ばす能力、将来的にプロでも本塁打を量産できるスラッガーなのは万波であることは変わりない。 技術、意識が優れた野村に対し、万波は残り2年間で、技術、意識を高めて真のスラッガーに化けることができるか。 今年の1年生野手は、根尾昂(大阪桐蔭)、野村、万波。今はこの3人がトップではないだろうか。
更新日時:2016.11.27
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