峯村 貴希選手 (木更津総合)

寸評

　2017年世代は野手が豊作といわれる。そのトップを走るのが清宮幸太郎といわれるが、清宮と同じくドラフト候補として期待されるのが峯村貴希。あの五島監督が「1年生春から使ってみたいと思わせた選手は初めて」と言わしめるぐらいの逸材である。長いこと木更津総合の選手を見るが、これほどスケール感のある野手は地引雄貴（現・東京ガス）以来といってもいい。その地引と比べても高卒プロへ行ける可能性は十分に秘めている。 (打撃） 　とにかくこの選手の打撃で目についたのは低めをさばさ打撃技術とファーストストライクを積極的に打っていくことができる姿勢だろう。特に低めをさばく技術は彼の得意技術といってもいい。 　スタンスはオープンスタンス。グリップを肩の位置に置いて、やや重心を下げて構えている。腰が据わった構えができており、センスの良さを実感させられる。投手の足が着地したところから始動を仕掛けていき、小さく足を上げていきながら、タイミングをとっていきながら、真っ直ぐ踏み込んで打ちに行く。トップの動きを見ていくと始動の仕掛けを見ていくと、トップの動きを見ていくと捕手側方向へ引いていく。 　このとき、グリップが後ろに入りすぎることなく、トップを形成することができている。その後の左肘をうまく畳むことができており、内角球は強い。そしてインパクトまでロスのないスイングができており、レベルスイングで捉えることができている。 　特に強いのは内角、低めのゾーン。本塁打にすることができている。打撃を見ていくと、腕の使い方は非凡なものがあり、そして捉えてから軸足の回転をうまく使って飛ばす技術も素晴らしい。もともとのパワーもあるが、それを生かす技術が秀でているからこそ、ここまで高次元の活躍ができているともいっていいが、スラッガーにしてはまだ背筋や太ももの強さに物足りなさを感じる。これは1年1年経ていけば、身体の厚みは増していくと思うのでそういう過程で打球にも力強さが出てくればいいだろう。 (守備・走塁） 　元々外野手だったが、遊撃手へ転向。遊撃手としての動きを見ると、まだ股関節をうまく使えず、バタ足で打球を追っている状況。これほど手足が長い選手なので、腰を下げるのが難しいが、打球に対して軽やかに追っていけるフットワークは身についていきたいところ。肩は中々の強さがあるが、まだ深いところから強い送球ができるまでには時間がかかりそうだ。 　塁間タイムは4.1秒～4.2秒前後と基準以内のタイム。盗塁タイムは3.38秒とまだプロの基準である3.29秒未満には満たないが、高校生としては悪くないタイム。もっと突き詰めていって、3.2秒台を達していきたいところ。

将来の可能性

　高校1年生としては技術、パワー、総合力ともに高いレベルに達しているが、ここから高卒プロを狙うとなれば、肉体的な強さ、内野手に必要な身のこなし、常に結果を残せるための準備、意識の高さなど様々なものを求めていきたいところ。それをクリアできる素質は持った選手であり、ぜひこの2年間、これはプロ行けるなと思わせるパフォーマンスを見せてほしい。