髙橋 光成選手 (前橋育英)

髙橋 光成

球歴:前橋育英

都道府県:群馬

ポジション:投手

投打:右 / 右

身長:188.0 cm

体重:82.0 kg

学年:卒業

短評

観戦レポートより抜粋(f2013年08月19日)  6回表から髙橋 光成がマウンドに上がり、常総学院飯田 晴海(3年・右右・175/75)との投手戦は俄然熱を帯び始める。  髙橋 光成は試合を経るたびに安定感を増している。群馬大会を見たときは思わなかったが、今は藤浪 晋太郎(阪神)とイメージが重なって見える。スリークォーターの腕の振り、右打者の外角低めにストレートを投じたときの横の角度、さらにストレートの速さと真横に滑るスライダーのキレ……等々、“体のサイズやスピードなどスケールを少しだけ小さくした藤浪 晋太郎”というのが、高橋に対する私の見立てである。左右打者に関係なく内角を執拗に攻め続けた藤浪にくらべると攻撃的精神で見劣りするが、それはあくまでも藤浪とくらべた場合。普通のレベルで考えれば十分内角を攻めている。  ストレートの球速が群馬大会で148キロに達し、今大会では1回戦に岩国商戦で史上2位となる9連続三振を記録、髙橋 光成には「スピードと奪三振」のイメージがついて回るが、そういうマスコミ受けする雑事に惑わされず、髙橋 光成は勝つ投球を心掛けた。3回戦の横浜戦ではストレートが143キロにとどまり、奪三振は5。しかしスピードを抑えた分、低めにボールを集めることに心を砕き、結果は8安打、四球2、失点1(自責点0)で強豪を退けた。  そういう大人の髙橋 光成がこの日も見られた。ストレートは130キロ台後半が多く、さすがに疲れが見えたのかなと思ったが、真価が発揮されたのは8回表、2死満塁のピンチを迎えたとき。打者・飯田 晴海に対して3ボール2ストライクという絶体絶命のピンチを迎えるが、まったく臆することなくこの日最速の145キロのストレートを投じ、見事に見送りの三振に斬って取る。
更新日時:2013.08.20

短評

観戦レポートより抜粋(2013年08月12日)  もう1人の前橋育英の高橋はこの日の投球で来年の上位候補に躍り出たと言っていい。ストレートの最速は145キロで、私が見た群馬大会準々決勝には3キロ及ばなかったが、その分スライダー、フォークボールなど変化球のキレが素晴らしく、岩国商打線は大げさでなく手も足も出なかった。  3回の9番中川 雄貴(二塁手・右左・172/64)から6回の8番上寺 悠(三塁手・右右・170/65)まで実に9者連続三振。大会記録は昨年、松井 裕樹桐光学園)が記録した10連続だからあと1人でタイ記録になるところだった。それほどこの日の高橋光の直曲球のキレは素晴らしく、私はタイ記録どころか新記録達成も夢ではないと思った。中川が記録だけは作られたくないとバントで逃れるのだが、スコアは「前橋育英1―0岩国商」である。バントで記録逃れなどしていい状況ではない。しかし、そういうことをやらせるほど相手を切迫した気持ちに追い込んでいた。このバントを見て、前橋育英の勝利を確信した。  もう少し高橋光の投球に迫りたい。9連続三振中、ストレートの見逃しが4個あった。岩国商打線は低めのスライダーを意識するあまり、まっすぐに手が出なかったということだろう。  スライダーとともに猛威を振るったのがフォークボール。落ち方が比較的小さいので「スプリット」と言ったほうが適切だと思う。大きい変化をする球なら、動いた時点でバットを振らないなど対策も立てられるが、変化が小さいので途中までストレートだと錯覚してしまう。この球が9連続三振の中に3個あった。  似たタイプはダルビッシュ 有(レンジャーズ)より藤浪 晋太郎(阪神)だろう。スリークォーターの腕の振り、真横に滑るスライダー、落ちの小さいフォークボールの軌道など、どれを取っても藤浪とイメージがダブる。  ストップウォッチで計測できた部分を紹介しよう。クイックは5本計測して1.10~1.22秒と速い。また、捕手からボールを受け取ってからボールの投げ始めまでの間隔は3秒程度でかなり速い。それでいて投球に要するタイム(始動から投げた球がキャッチャーミットに到達するまでの時間)は2秒前後でゆったりしている。 それらの緩急で打者が惑わされていることも十分考えられる。そういうことを実際に意図してやっているのが牧田和久(西武)で、けっして机上の理屈ではない。もし意図してピッチング全体の“緩急”を操っているのだとしたら末恐ろしい高校2年生である。
更新日時:2013.08.13

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